いつかかえるところ

□08《思い出は闇に消え去る》
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鴎暦 833年 巌の月 28日



朱雀四天王4人は、極秘任務【シド暗殺】を決行。

ミリテス皇国に潜入し、敵を残滅。
シド暗殺に向け着々と任務をこなしていたが
”それ”自体が罠であった。


敵地にたった4人で送り込まれた彼らは、最早 袋の鼠。

皇国の密偵であった院生局局長と四天王のひとり。


信じていた仲間の裏切りにより、朱雀四天王は壊滅。
相討ちとなり、クラサメは重傷を負い瀕死の状態であった。

だが微かに息を残す四天王のひとりが、最後の力を振り絞りクラサメを瀕死から救ったのだ。



彼女の名前は知らない。
彼女が何故助けてくれたのかも分からない。


だがその事実は記した。
クラサメは自らの血で、その地に刻んだのだ。
彼らが自分の大事な仲間であったこと。
命と引き換えに自分を救ってくれたこと。



全身に火傷を負いながらも、命からがら朱雀へ帰投していた最中、クラサメは意識を手放す。





気付いた時には、清潔な白い壁の広がる静かな部屋のベッドの上だった。
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