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□変身願望
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「時計になりたい」


この人は確かにそう言った。
頭でもおかしくなったのだろうか。


「そうですか、音也は将来時計になりたいんですね。頑張って下さい」


とりあえず、音也の頭を撫でながらそう言ってみる。
すると、音也は私の手を払い除けて視線を絡めてきた。


「もう、本当になれるわけないじゃん」


あまりにも真剣な目で見つめるものだから、からかってやった。


「わかっていたのですか。つまらないですね」


むっとした顔をされた。
よくこの顔をされるけれど、どういう意味なのかはわからない。


「何故時計になりたいのですか?」


はじめに戻って時計の話をすることにした。
すると、音也は機嫌を直して話しだした。


「時計だったらトキヤの近くにいれるかと思って」


あまりにもあっさりと恥ずかしい事を言うものだから、一発頭を殴って、それから二人でキスをした。


終わり

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