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□今宵の物語を始めよう
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これは、ある夏の夜の出来事です。

Aさんは仕事を終え、家に帰るところでした。
時刻はすでに夜中の二時を回っています。

Aさんが家に帰り、中に入るととても空気がひんやりとして寒気を覚えました。

7月の中旬、外は少し歩くだけで汗があふれてくるような蒸し暑さです。
それなのに家の中はとてもひんやりとして、寒いほどだったそうです。

クーラーをつけっぱなしで家を出てしまったのかと思ったAさんは、部屋の電気をつけエアコンを確かめてみましたが、エアコンは動いていませんでした。

Aさんが不思議に思っていると、突然


・・・ふふふ、ふ・・・ふふふ・・・


女の笑い声が、部屋の中に響いてきました。
Aさんは驚いて、部屋の中を見回しますが、もちろんあたりには誰もいませんでした。

しかし、なおも笑い声は聞こえてきます。
部屋全体に響くような不気味な笑い声でした。

Aさんは恐る恐る、声を上げて言いました。

「誰だ!どこにいる!」


すると、笑い声はぴたりとやみました。















「あなたの後ろ」

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