H×H(長編)

□No,3
1ページ/4ページ

(結構走ったな……)

ケイトは走りながら、周りを見渡した。


隣にはキルアとゴンが走り、後ろではクラピカとレオリオが走っている。


ケイトはレオリオに違和感を感じ、スピードを少し落としてレオリオの隣で走る。

「レオリオさん、大丈夫ですか?」


ケイトが心配そうに尋ねるとレオリオは「おう……!こ、こんなの平気、だぞ……っ!」
と息を切らしながら答えた。



だが、レオリオの様子は誰から見ても大丈夫という状態ではなかった。




「おい、俺等先に行くけど……」
キルアがこちら振り向く。


「先に行ってて、私レオリオといるよ」
レオリオはケイトの顔を見てぎょっとなった。


「な、何言ってんだ!先に行け……っ!」


「ううん、行かないよ。だってレオリオが落ちたらやだもん」

ケイトがそう言い放つとレオリオは「なっ……!」と驚愕の表情を浮かべていた。




「私もレオリオといよう」

「そ、じゃ先行こ―ぜゴン」
キルアがゴンに話しかけ二人は前方へ走って行った。




キルア達が走って行ったあとすぐにケイトはクラピカに聞いた。


「あの、なんでキルア達と行かなかったんですか」

「私はあの二人とは違ってそんなに体力は有り余ってないからな
それに、君と同じくレオリオが落ちたらいやだからだよ」


クラピカは優しく微笑んだ。

優しいなぁとケイトは思い、胸がくすぐったくなった。















「レオリオ!!」
ゴン達と別れて5分も経たない頃、レオリオのスピードが落ち、立ち止まってしまった。


ケイトはレオリオの近くに行き「大丈夫!?」と声をかける。




「っざけんな……絶対にハンターになったるんじゃーーー!!くそったらあああぁぁぁ!!」




レオリオが奇声を発して走って行く。

この様子なら大丈夫そうだねとケイトはクラピカに言い、にっと笑った。


「だな……」


ケイトの言葉と笑顔に釣られクラピカは静かに笑った。














その頃、ゴンとキルアは……



「いつのまにか一番前にきちゃったね」

そう言ったゴンは少し汗をかいている。


「うん、だってペース遅いもんなー。こんなんじゃ逆に疲れちゃうよな」


疲れると言っているわりに、キルアは全く息も切らさず、汗一つもかいていない。


「結構ハンター試験、楽勝かもなー」

キルアがつまんなそうに言うと周りの人達は驚愕の顔でキルアを見ていた。




「キルアはなんでハンターになりたいの?」


「別にハンターになりたいわけじゃないよ」

「じゃあなんで……」
ゴンが不思議そうに首を傾げる。



「難関だっていわれているから面白そうだと思っただけ。でも拍子抜けだな」


淡々と言うキルアに驚くゴン。
「そっか……」



「じゃあ、ゴンはなんでハンターになりたいんだ?」

次はキルアがゴンに聞く。



「俺、親父がハンターなんだ。で、親父みたいなハンターになるのが俺の夢!」


「ゴンの親父ってどんなハンターなんだ?」


「わかんない!」
ゴンが即答すると、キルアは笑って「お前それ変じゃん!」と言った。



「そーかな」

ゴンがむうと悩んでいると後ろから「見ろ!出口だ!」と言う声が聞こえた。


ゴンとキルアは久々に見た光に目を細めた。
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ