H×H(長編)

□No,1
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私は走っていた。幸い森と家の距離が結構あったため、ケイトが帰って母に事情を説明し、麓まで行くまでの間、あのおじさん達に会うことはなかった。


麓につき母が警察を呼んでくれた。
私は父を残して家に戻るまでの間、麓に来るまでの間、一回も泣かなかった。


翌日、父は遺体で発見された。
けど私は泣かなかった。


葬式のときだった。
父の顔を見て私は泣いた。


「おとーさん、おとーさん……!」
何回言ったって父は返事を返してくれない。
「おとーさん……!ねぇ…!いつもみたいに言ってよ“大丈夫”って……!」


涙が溢れて止まらない。
「ごめん…なさい……」
私は小さく呟いた。
だって、父を殺したのはあのおじさん達じゃなくて。



        私だから
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