H×H(長編)

□No,1
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その後の話はあまり覚えていない。
とにかく“ハンター”というものについて考えていた。


母と相手の人の話が終わりそうになった頃、またさっきのように音を出さないよう静かに2階の部屋へと向かった。


ちょうど階段を登り終えたとき、母がリビングのドアを開けて出てきた。

ケイトは見つからないように手すりの影に隠れて様子を窺った。


「ではこのまま捜査を続けますね」
「はい……」
母の情けない声に私はまた胸が傷んだ。
そして絶対に“ハンター”になる。と誓った。


バタンと玄関のドアが閉まる。
ケイトが部屋へ戻ろうとしたときだった。


「うっ……っ…っっ……」
母が声を殺して泣いていた。
私は思わず顔を背ける。


そして母が泣くところをあまり見たことがない事に気付く。
おそらく、自分の子供に弱いところを見せないようにしていたのだろう。


ちらりと後ろを振り向くとそこにいたのは元の強い母の姿だった。



翌日、私は父が使っていたパソコンを使って“ハンター”というものを調べた。

ハンター:貴重で入手困難なアイテムを追い求める者の総称。
プロのハンターと活動するにはライセンスが必要で過酷な試験に合格しないとライセンスはもらえない。
プロになれば様々な優遇措置が受けられる。
ハンターライセンスの使い方
 偽装防止処置済
 禁止区域への立ち入り可
 担保としての利用可
 公共施設を無料で使用可能
 再交付不可


(すごい……ハンターってこんな人達なの……!)
ケイトは自分が思っていた事よりもはるかに上回っている検索結果に驚愕した。


(もしもおとーさんを殺すように頼んだ奴が、なんらかの方法で禁止区域で身を潜めていたら、私では奴を見つける事は叶わない。けど―)


プロのハンターになれば奴を見つけられるかも知れない……!!

まだ自分がプロハンターになったわけでもないのにその表情は歓喜に満ち溢れていた。


(えっと、ハンター試験は12歳から……か)
ケイトはまだ10歳のためハンター試験を受けることはできない。


(絶対にハンター試験に受かる!……そのためにはもっと強くならなくちゃ!)
過酷な試験……ならもっと努力をしなくてはならない。


ケイトは4年後のハンター試験を受けることにした。
理由は2年で自分が過酷な試験に耐えられるか自信がなかったからだ。




(絶対強くなってみせる!)
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