H×H(長編)

□No,3
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「レオリオ、もうすぐだよ!」

ケイトが言うとレオリオはゼェゼェしながら「おう……!」と返した。



やっと薄暗い地下から出れる……と多くのハンター受験生が思ったことだろう。



「終わりっ!」

ケイトは最後の階段をトンッと越えた。

コンクリートではなく、土を踏む感覚にケイトはなんだか懐かしさを感じる。



「ヌメーレ湿原、通称“詐欺師の塒”二次試験会場にはここを通っていかねばなりません」


声のする方を見ると息いとつ乱していないサトツさんが立っていた。

「また走るんだ……」
ケイトが呟いたが隣には知らない人。



あれ?と思いケイトは周りを見渡した。すると遠くにクラピカを発見した。

どうやら地下を抜けた後、多くの受験生に阻まれていつの間にかみんなとはぐれてしまったようだ。


「おーいクラピカー」


クラピカはこちらに気づいていないみたいだ。

ケイトは小走りでクラピカの近くへ走りだしたが、知らないおじさんに腕をつかまれた。

「ねぇお嬢ちゃん、かわいいね。試験が終わったらおじさんと遊ぼうよ」

「ぃ、いや……っ!」

つかまれた腕をふりほどこうとするが無駄だった。



「あの、は、離して……」
もちろん言ったからといって離してくれるわけはなくおじさんはニマニマしながらケイトの腕を掴んだままだ。

もう力技でやるしかない……!


ケイトが手をあげたとき。



「すまないが、彼女の腕から手を離してくれないか」

「クラピカ!」


「お、君もかわいいねー君も一緒に……」
おじさんがクラピカに近づく。

「…………だ」
クラピカが小さく呟く。

「え?なんだい?」
「私は男だッ!!!!」

目にも留まらぬ速さでくりだされたクラピカの蹴りにより、見知らぬおじさんは腰を抑え悶絶していた。


なんかお約束になってる……?とケイトは思いながら、悶絶しているおじさんの横を通りクラピカに歩み寄る。


「ありがとうクラピカ」

お辞儀をするとクラピカは「あぁ……ケイト、私はそんなに女顔だろうか……?」と2回も女に間違えられたことを気にしているようだった。


「そ、そんな事ない……と思う、かな…?」
「なんでそんなに自信がなさげなんだ……」

そんな会話をしていると周りの受験生たちがまた走りだした。



「始まったね」
ケイトとクラピカもつられて走りだす。

すると後ろから、受験生たちをかきわけながらレオリオがやって来た。
「おーいたいた!ケイトークラピカー!」


「「あ、レオリオ」」
二人の声が見事に重なる。


「ったくひどいぜ、ゴンとキルアはもうとっくに前のほうへ行ってるし、お前らに至っては俺の存在を忘れかけてるしよ……」

「えへ」
ケイトがかわいくごまかす。
「薄情者めー!!」



そんなかんじで一次試験後半が始まった。
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