【黒蝶幻舞】
□第九話
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【零番隊隊舎】
さて、ゆっくり休んだから大分楽になったな。
『辞表は書いてきたか?』
そう言うと全員が書いた辞表を見せてくる。うん、ちゃんと書いて来たな。
「まずは何からするんだ?」
『元柳斎に報告だな。公表の準備と場所の確保。まぁ一番隊の鍛練場になるだろうが。』
「じゃあ早く行こ!復活の準備進めたいし!」
「「うんうん!」」
そして全員連れ立って一番隊隊舎に向かった。
【一番隊隊舎】
……ん?今は副隊長も含めた隊首会中か。
「あら?今は隊首会中の様ですわね」
「副隊長も含めての、らしいな。」
「どうするよ隊長、出直すか?」
うーん、どうするか…いや、このまま辞表出せば良くないか?わざわざ言いに行く手間が省けるし。
『いや、このまま行く。』
「え?」
霊圧を完全に隠して扉の前に立つ。そして思い切り大きな音を立てて、扉を開けた。
「「「Σ!!!??」」」
「Σ霧夜!!?お前…何で此処に…。」
隊長、副隊長格はかなり驚いていた。……特に元柳斎、まさか来るとは思ってなかったのだろう。
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「え〜……隊長行っちゃったよ…?」
「…どうする?」
「「様子見だね。」」
朔夜達は、扉から見えない位置に隠れて話している。勿論霊圧も完全に消して。
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『…日番谷隊長。』
「何だ。」
『僕、十番隊を抜けます。』
「「Σなっ!!!??」」
日番谷と松本はかなり驚愕している。どうして、なんで…そんな疑問が瞳に浮かんでいる。
「氷雨…っ!どうして…私達が何か、」
『いいえ。十番隊がイヤになったといった理由ではありません。…ただ、もう十番隊に居られなくなっただけ。僕の在るべき場所へ帰る事になっただけです。』
「霧夜…。」
「氷雨…。」
『すみません、お2人共。でも十番隊はとても居心地の良い場所でした。本当に…今までお世話になりました。』
辞表を渡して、僕はそこから一歩下がる。
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「成程。なら俺も行くか。」
扉の向こうからまたもやいきなり出てきた朔夜に吃驚している隊長、副隊長格。
「更木隊長。」
「あぁ?」
「俺も十一番隊辞めます。」
「Σえぇ〜!!?さっちゃんも居なくなっちゃうの!?」
「…テメェで決めた事なのか?」
「当たり前です。」
「はっはっはっ!!!!おもしれぇ!別に構わねぇさ。お前が何処に行こうがな!」
ぞんざいに辞表を受け取る更木剣八。
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「じゃ、次は私ね!」
ひょこっと顔を出した心愛。阿散井以外は、今度は彼女か…といった表情だ。
「朽木隊長♪」
「…何だ。」
「私、六番隊辞めます!」
「Σな、何でだよ!心愛っ」
「…煩いなぁ、私は朽木隊長に言ってるんだけど。」
「…理由を聞こう。」
「……私には帰らなきゃいけない場所があるから。それだけですよ。」
「そうか、分かった。」
阿散井は納得出来て無いようだけど、白哉は素直に認めて辞表を受け取った。
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「「次は僕/私達♪」」
ニコニコと笑顔で出てきた双子を見て、偽善者と卑猥男はかなり驚いている。
「「東仙隊長!」」
「…、」
「「何となく分かってると思うけど、僕/私達九番隊辞めるね!此処はすっごく居心地の悪い隊だった!感謝する事も微塵も無いね!
異論も文句も聞かないよ?じゃあね、バイバイ!」」
相手に言葉を発せさせずに、辞表を押し付けて終了した。
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「では、次は私ですわね。」
静かに登場した玻璃に驚いているのは、やはり虎徹勇音だった。信じられない様な表情で玻璃を見ている。
「卯ノ花隊長、私も四番隊を抜けさせて頂きます。」
「っどうしてですか!!?」
「……虎徹副隊長、私貴女とは口を利きたくありませんの。話し掛けないで頂けないかしら。」
「っ!」
「桜雨三席も、帰るべき場所があるのですか?」
「はい、待っていて下さる方が……私の仕えるべき方がいらっしゃいますので。」
「…そうですか、分かりました。」
穏やかに辞表を受け取る烈。
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「〆は俺か…てか涅隊長知ってんだよな…。」
最後に(何故か若干落ち込んだ様子で)志貴が出てきた。
「涅隊長は分かってますよね?そう言う事なんで、俺も十二番隊辞めます!」
「ふん、キミの様な騒がしいのが居なくなってせいせいするよ。」
「あ、ひっでーの。」
マユリとネムは全部知ってるし、パパッと終了した。
『それでは総隊長、また後でお伺い致します。失礼致しました。』
うやうやしく頭を下げて扉を閉める。あー、面白かった。
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