上条当麻と一方通行
□上条さんのとある休日
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「さってと、どこから見て行きますかねー。はじっこから適当に入ってくか?」
駅ナカのショッピングビルの中には、今まで見向きもしなかったがたくさんの洋服店が入っていた。
多すぎて、普段私服を着ない上条にはどこから入ればいいのかわからない、はっきりいってすでにお手上げ状態だった。
「だいたいこんなたくさん洋服屋あって大丈夫なのかよ……つぶれたりしないのか?」
それは人によって好みがあるのだが、好みもなにもない上条からしてみたら全部同じ『洋服屋』でひとくくりなのだった。
「とりあえずこのはじっこの店から……っうう、なんだこれ、勇気いるな…」
洋服店に入りなれていない上条的にはまさにそこは未知の領域。
なんだか自分なんかが入っていいところなのだろうかとすら思ってしまう。
「うう……、土御門か青髪ピアスでも呼んどきゃよかったな、くそっ」
不安に苛まれてきょろきょろ辺りを見回すが、当然土御門も青髪ピアスもいなかった。
しかし、上条の視界に白い猫っ毛が映った。
「あ、れ……オカシイナー。上条さんの見間違いでせうかー?」
こしこしと目をこする上条。その一言で向こうもこちらに気づいたようで、目をぱちぱちしている上条に舌打ちをひとつして
「なんでコーディネートセンス皆無みてェなカオしてる三下がここにいやがンだ、三下ァ」
と言った。
一方通行、アクセラレータがいた。いらっしゃった。