ゼルダ無双

□男装少女の弱点
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オレの名前はリンク!

ハイラル軍兵士見習いだ!!

早く兵士になって、早く戦場へ出て戦うのが夢だ!

そのためには誰よりも強くならなきゃならない。

今オレより強い奴と言えば相部屋のロタっていう奴!

下にナニ失くしてるが弓や魔法、戦術が凄くて馬鹿がつくくらい生真面目だ!

と…思ったんだが、



「よし! 今日の訓練は体術のみの戦闘訓練だ!!」

「……!!!!!!!!」

「? ロタ?」



隣にいるロタが教官の言葉に絶望しきった表情になった。

教官の指示によりオレたち訓練兵は二人一組になって演習場一杯一杯に広がって取っ組み合いを始める。



「ほらロタ、オレたちもいくぞー?」

「……………リンク。ボクはこの演習を自主休講する…!!」

「はぁ? それってサボりって言うんじゃ…ってコラ!!! どこ行くんだよ!」



教官の視線が別の方を向いている隙にロタが演習場の出入り口まで一気に駆けようとするから慌てて襟を掴んで止める。



「は、離せリンク! いいいいいいいじゃないか。ボクは成績優秀、皆勤賞とり、おまけに美形だからっ一回くらい休んだって許されるはずじゃないか!!!」

「いいわけねえだろ! なんだよ、何がそんなに嫌がってんだよ! ……あ、分かったぞ。もしかしてお前、体術が苦手なんだろ?」

「………!!!!」



図星だな。



「へぇ、あの優等生なロタくんがまさかの体術が苦手なんてなぁ〜?」

「ぐ、に、苦手じゃない! ただ嫌いなだけだっ!!」

「どっちも意味同じだろ。なぁ優等生くん、苦手なものは克服しなきゃなぁ???」



しめた、これはロタに勝てるかもしれない!

そうと決まればロタの腕をとって無理矢理開けた場所へと導く。



「離せ! 離せ問題児め!!」

「問題児ってなぁ…今はロタの方が問題児だろ」

「別にいいだろ体術くらい! 常に武器を持っていればいいだけだろう!」

「そうかもしれないけど、いつ如何なるとき何が襲い掛かるか分からないんだ。兵士はそんなときでも戦わなきゃならない。そんなときどうするんだ?」

「うっ…そ、それは…。……分かった。キミにそんな事を言われたらおしまいだからな」



それっぽいことを言ってロタを丸め込む。

というか、なんだよオレのこと貶してるのかそれは。

まあそれはいいとして、オレとロタは体術の特訓にとりかかった。



「い、いいか!? 変な所触るなよ!?」

「何だよ変な所って…ほら、いいからかかってこい!」



殴る蹴るの取っ組み合いが始まる。

なんだよっ、こいつめちゃめちゃ強いじゃねぇか…!

こちらに攻撃の隙を与えないかのように次々と飛んでくる蹴り。

避けるのが精いっぱいで、後ろにどんどん後退させられる。

このままじゃ壁まで追い込まれて避けきれずメッタ蹴りにされちまう!


「そうはっさせるかぁ!」

「っひ!」



脇ギリギリを通過するロタの脚を手で掴んで固定する。

片足を上げたまま掴まれてバランスがとりづらく次の一手が出せないから、オレはしめたとその隙を突こうとする。



「は、はなせぇえええええええ!!!!」

「ち、ちょ、暴れるなおまっ! うわ!」



戦う術を持つ奴とは思えないなんとも間抜けな、ロタは掴まれている足を暴れさせ自由な腕でオレの上半身に力ないパンチを浴びせる。

片足を掴まれてアンバランスなのにこちらに攻撃してくるもんだから、ロタはオレを巻き込んで前のめりに倒れてきた。

突然のことでロタを受け止めきれず、オレは背面から地面と衝突してしまう。



「いっつつ…お前暴れんなよっ」

「ううううううううるさい! いい加減足を離せっ!」



なんだよ足掴まれたくらいでパニックになって。

オレの上に乗るロタには早く退いてもらいたいからオレは足を掴む手を解いて、ロタの脇腹を掴む。



「ッひゃんっ!」

「ぁ? なんだよ女みたいな声だして」



ロタが変な声が出すんもんだから一瞬ドキッとする。

オイオイ、コイツ男だろなんつー声出してるんだっつーの。

つか細っ! なんだこの腰の細さ!!



「な、ななななな何で脇を掴む離せ変態!!!!」

「ぶふっ!!」



脇腹を掴んだら顔面にパンチをもろに食らった。

鼻が潰れたんじゃないかってくらい強烈な痛みにオレが顔を押さえてジタバタと転げまわる隙に、ロタはオレから離れて服に着いた土埃を払う。



「だ、だから体術は嫌なんだ! もうキミから一勝貰ったんだ。ボクは帰らせてもらう!!」



敗者に手を貸すなんてことせずに、ロタは速足で演習場を出て行った。

…というか、オレ変態と言われることしたか?






…………



後でロタに聞いたんだが、ロタは脇腹だとか触られると敏感に反応してしまうから嫌いらしい。

だから身体に触れることが多い体術が嫌いなのだと。



「へぇ〜お前の弱点脇腹かぁ〜??」

「な、なんだその悪いこと考えてる顔は…」

「じゃあそこ責められたらお前を倒せるんだな! とりゃー!」

「なっ…ぁん! 〜何するんだこの馬鹿変態ぃいいいいいい!!!!」

「ぅごっ!!!」










END.
 

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