スマブラ
□マルスってさぁ…
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「今日も生き残ることができた」
「……」
4人乱闘を終え、1位になったマルスは剣を鞘に戻す。
それをリルはジッと見ていた。因みにリルは2位だ。
今日の乱闘は全て終えたため、ファイターも観客たちも会場をあとにする。その中、リルはマルスのマントを軽く引っ張って引き止める。
「ねーねーマルスー」
「なんだいリル?」
今日のリルはリルらしくない戦い方だった。
何時もはガンガン攻撃してくるのだが、今回は離れた場所でボーッと立っているか攻撃を回避するしかしなかった。
マルスはそんな様子のリルが心配だった。何か悩み事でもあるのか。それなら相談にでも乗ろうとも思って、リルと向き合った。
「なんでマルスってミニスカに生足じゃないの?」
「…はぃ?」
訳のわからないことを言うリル。
しかし、マルスは何か心当たりがあるようで若干遅れた反応を見せる。
「だってマルスの服ってキトンみたいなのとマントだけじゃ」
「わぁああああ!…リル、なんでそんなこと知ってるのっ?」
リルが言っているのは、過去のマルスの服装だ。そう、あの暗黒戦争のときのマルスの格好だ。
スマブラの世界に来たときは既にその衣装ではなかったからこの世界でそのことについて知る人物なんていない。なら何故リルは知ってるのだろうか。
「乱闘中にね、神様の声を聞いたの」
「神様の?」
「うん!」
マルスは以前にリルについて聞いてたことがあった。リルは神の声が聞こえ、それの下にハイラルの世界を救ったと。この世界にも通用するものかとマルスは思った。
「なんかね、いつも聞く女神さまの声じゃなかったんだけとマルスのこと教えてくれたんだよ!」
《ねぇ聞いてよクレイジー、マルスってば昔こんな女の子みたいな格好してたんだよ〜。ぶふっ、面白いよね〜今度のコスチェンの一つにこれ入れようよ〜》
「…リル、その声マスターハンドだと思う(あの右手め…!)」
「なんだマスターかぁ。通りで変だなぁと思ったー」
どうやらリルはたまたまマスターハンドの声をキャッチしてしまったようだ。
口が軽いこの世界の創造者にマルスは思わずため息をこぼす。
「リル、だってあの格好で乱闘なんてしたらピーチ姫以上のパンチラだよ?
男のボクのパンチラなんて誰が得をするっていうんだい?」
「マルス…それは小さいお父さんを馬鹿にしてるよ!?見てよ小さいお父さんのこのスカート丈の短さ!」
「リル…」
「どこから子リンだしたの」
いつの間にかリルの腕の中には子リンが抱えられている。子リンは将来の自身の娘に抱えられていることか、子供扱いされてることになのか頬を膨らませて不機嫌そうだ。
「子リンはいいじゃん、まだ下にスパッツみたいなの履いてるんだから。
ボクなんて何も…あ」
「「…え?」」
マルスの言葉に、それまで笑いで飛ばせた空気が一転。身も硬くなるようなものに変わった。
「マルス…今何もって言った?」
「…」
「え、それって…スパッツは勿論、まさかパンツも…?」
「……」
「………」
「………」
無言。
それは恐らく、是ということ。
「リル…
走れ!」
「Yes,Little daddy!」
「あ、こら待て二人とも!!」
見事な瞬発力で走り出リルす。
マルスは若干遅れて反応し、二人を追いかける。
「絶対言いふらすつもりでしょ!?」
「パンツ履いてなかったマルスが悪いー!」
「そんな大きな声で言わないでよー!」
「オレの未来の娘追いつけるかなーマルス!」
「絶対捕まえる!ボクの名誉のために!」
「無理無理!ソニック以上に速い私に追いつけっこないよーだ!」
剣士の中でも速いマルスでも、子リンを抱えて走るリルには追いつけない。因みにソニック以上に速いというは自称だ。
「待てー!」
「「待たなーい!!」」
マルスってさぁ…
「みんなー聞いて聞いてー!」
「マルスは実はー!」
「だから言わないでってばー!」