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□守るべきもののため、戦うだけだ。
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「守るべきもののため、戦うだけだ」


アイクは大きくラグネルを降った後、肩にそれを乗せる。

今回の乱闘はアイクの勝利だ。


「アイクー!1位おめでとーー!」


ステージ裏で乱闘を観戦していたリルはアイクの元へと走り寄る。


「へへっ、突撃ぃー!」

「ぬ」


体格のいいアイクに体当たりしてもビクリとも動かない。

リルはそのままアイクに抱きついた。


「お疲れアイク!はいこれお肉!」

「む、すまんリル」


リルは持ってきた鳥の丸焼きをアイクの口に銜えさせる。

水より肉。

アイクが肉を食している間、リルは顔をアイクの胸にグリグリと埋める。


「むふぅ、アイクおっぱい大きいねぇ〜」

「…美味い」


アイクはリルに構わず肉を食す。

リルはよくこうしてアイクに抱きついては胸に顔を埋める。

何時もの事のため、アイクにはもう慣れたことなのだ。


「あ!そうだ、アイクに聞きたかったことがあるの!」

「? なんだ」


アイクが肉を食べ終えた辺りで、突然リルが顔を上げた。


「アイクのいう守るべきものに、私って入ってる?」

「…」


突拍子なリルの投げかけに、アイクは思わず黙り込んでしまった。

別にアイクとリルは恋人同士ではない。

ただ何となく気が合い、行動を共にすることが多いだけの、友達以上恋人未満といった感じだ。

アイクは特にこれ以上の関係になりたいと考えたことはなかった。


「ねぇねぇ、どうなのっ?」


リルの大きい瞳がアイクのことをジーッと見つめる。

リルはどんな答えを望んでいるのだろうか。

アイクは答えに困っていた。

ガリガリと自身の髪を乱雑に掻いた後、アイクは片手でリルの頭を撫でた。


「んに?」

「…入ってる」

「ホント!?やったー!」

「おおっと…」


リルはぱあっと目を輝かせ、嬉しさのあまりにリルはアイクに飛びつく。

アイクはリルを軽々と抱っこする。


「アイクだーいすきっ!」

「…ぬぅ」


その意味は友愛の意味か、はたまたもっと特別な意味なのかはわからない。

アイクは若干顔を赤らめて、リルの頭を撫でた。




守るべきもののため、戦うだけだ。


どんな形であれ、俺にはお前が必要不可欠な存在だ。



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