スマブラ

□とある親子
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「父さん、弁当持ってきたよ」

「食べよー!」


本日乱闘のスケジュールが入っていないトワとリルは、いつもよりラフな格好でトレーニングルームへとやってきた。

そこには彼らの父トキと数人のファイターたちが鍛錬に勤しんでいた。


「おおトワにリルか。助かった」


トキはファイターを引退した後、トレーニングのトレーナーとしてファイターたちの相手をしている。

ひっきりなしにトレーニングにつきあわされるため中々トレーニング場から離れることが出来ないトキに、こうして二人が弁当を届けているのだ。

今日はその弁当の箱がとても大きく思え、トキは不思議に感じた。


「ん? 今日はいつもより量が多いような」

「へへっ、実はオレたちも一緒に食べようと思って」

「それでね、お母さんに三人前作ってもらったんだ」

「わざわざここで食べなくても、母さんや友達と食べればいいじゃないか」

「父さんが寂しがってないかと思って!」

「お父さん寂しがり屋だもんねー」

「…言ったなコイツ」

「わわっやめろよ父さんっ」

「ふにゃーやめてぇー!」


トキはトワとリルの髪をぐちゃぐちゃにしながら頭を撫でた。

それから三人は地べたに弁当を広げ、並んで食べた。

たくさん食べる三人のため、弁当は大きな重箱で一段目にサンドイッチ、二段目におかずが入っている。


「たくさん食べろよ」

「父さんもなっ、折角母さんが作ってくれたんだから」

「勿論。愛情こもった母さんの手作り愛妻弁当を食べないわけがないっ」

「へいへい、ノロケごちそーさま」

「うへぇ…もうそれだけでお腹パンパンだよぉ…」

「なんだもういらないのか? ならオレが全部食べるぞ」

「そういう意味じゃない! ああオレらの分のおかずー!」

「お父さんずるーい!」

「ハハハ! 冗談だっ、ほら食べろ食べろ!」


三人はふざけ合いながら、弁当を食べる。


「父さんっ食い終わったらトレーニングしようぜ!」

「えぇー、オレ食後の昼寝を…」

「食べてすぐ寝たら豚さんになっちゃうよ!
私ぶよぶよお肉のお父さんなんてやー」

「オレはそれくらいでブヨブヨにならないぞー」

「むぅ、いいじゃん付き合ってくれよ!」

「やれやれ…我が子らの頼みだ仕方ないなぁ…」

「「やったー!」」


トワとリルは嬉しさのあまりハイタッチをする。

トキは可愛いい自分の息子娘を見てふぅと嬉しいため息をこぼした。






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