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□帰り道、猫と
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「あ〜〜!!疲れた〜!!」

今日もマネージャーとしてあちこち走り回り足がパンパン

合宿に来てるから朝から晩までハード過ぎるでしょーよ。仮にもこっちはか弱い乙女なんだっつーの!

ぐちぐち文句言いながらも大浴場ではなく部屋に備え付けのバスルームで軽くシャワーを浴び着替えを済ませ髪を乾かしいざベッドへ

とにかくお疲れ状態でモソモソとベッドの中に潜りこみさぁ寝よう「あん♪」…は?


「名無しさんったら意外と大胆やな〜」


パンイチの白石がニヤニヤしながら寝ていました



「ぎゃあぁぁあー!!?」




叫ぶ私に白石は、遠慮する事ないで?等と言いながら布団を捲りながら手招きする


てかお前そんな格好でいんな!!マジキモい!!!!


「俺寝る時パンイチやないと寝られへんねん」

「知るか!てかそれ以前に何でここに居る!?寝るなら自分の部屋帰って寝ろ!!」

「嫌やし。誰が好き好んでむさ苦しい部屋で寝なあかんの」

「むさ苦しい…って謙也しか居ないだろーが」

「俺が謙也に襲われたらどないするん!?」

「それこそ知るか!!大体謙也にそんな趣味あるわけないでしょ!?」
「あいつにそんな趣味なくても俺のこの美貌についクラッときてしまうかもしれへんやろ?」


「アホ死ね変態が」


「生きるしって事で俺と仲良く寝よか」

「だから寝ないって言ってんだろーが!」


バカなの!?こいつバカなの!?


「大丈夫や!俺の方はいつでも準備万端やから」

「何の!?」


「名無しさん、疲れてるやろ?俺がマッサージしたろか?」

「話を逸らすな!」


「まぁまぁ。ほら、こっち座り?」

「え、あ?ちょっと」


無理矢理白石にベッドに座らされマッサージを受ける…が、


「おい、白石」

「お客さん中々凝ってますなぁ〜特に……この辺が…」


バコン!


「誰が乳揉めっつったよ!!!!」


「えー?乳から肩凝りなるって聞いたから」


「だぁほ!そんな訳あるか!!いいから出ていけ!」


「いーやーやー!」



バタン!!


「さっきの叫び声はなんやーー!?」
「「謙也!」」


ぎゃあぎゃあと白石と貞操をかけた攻防戦を繰り広げていれば騒ぎを聞き付けた謙也が勢いありまくりな感じでドアを開け登場した

てか、


「ここ、オートロック…」

「マスターキー完備!」

「同じく!」

なんでやねん!!


「なんであんたらが私の部屋のマスターキー持ってんの!?」

プライバシー侵害にも程があるだろ!


「オサムちゃんから渡されてん」

「"名無しさんは女の子やからなんかあったら大変や!せやからお前らいつでも守れるようにマスターキー持っとき"って」


オサムちゃんんん!?


「1番渡しちゃいかん奴に渡してんじゃん!!」

「え?誰?」

「お前じゃ!アホー!!」

近くにあった枕を白石目掛けてぶつければクリティカルヒットしたのか「ぶッ!」っと間抜けな声を出し座っていたベッドから落っこちた


「うわ!白石ここで何してんねん!?」

「今頃か!」

てか今まで気付かなかったってどんだけ鈍いの!?


「んも〜、騒がしいわね〜」

「お前ら俺と小春の熱ーい夜を邪魔すんなや」

「先輩らほんまキモいっすわ」

「色即是空」

「名無しさんー!トランプしよーやー!」

「金ちゃん、体ちゃんと拭かな風邪引くばい!」


謙也が来て更に騒がしくなった部屋にレギュラーメンバー全員がやってきていた


「!?お、おい、白石!大丈夫か?」

唯一地味でまともな小石川がパンイチで倒れている白石の心配をしていた


はぁ、また面倒な……!いや、これは絶好の機会


「全員マスターキーを渡せー!」


「「「は?」」」


「私の部屋のマスターキー!オサムちゃんから渡されてるんでしょ!?いいから全員出しなさい!」


ギラリと睨みつければ全員一列になってマスターキーを差し出してきた





「……ん。これで全部?二枚持ってるとかないね?」

「一枚ずつしか渡されてへんからそれで全部の筈やで」


コソコソ


「白石ー、何コソコソしてん?」

「ちょ、金ちゃん、シー!シー!」

「??」


「金ちゃん?どうかした?」

座り込んで何かしてる金ちゃんが気になり預かったマスターキーを棚に仕舞いながら声をかければ傍にはうずくまった白石


「…何してんの」

「!べ、別に。なんでもないで?」

じーっ


怪しい…


ヒューヒューと空気しか出てない下手くそな口笛を吹きながら目を逸らす白石

めっちゃ怪しい


「……白石」

「な、なに?」


「なんか隠してるだろ?」

「ギクッ!!…な、なんも隠してなんかないよ!」

「金ちゃん、」

「ん?」

「白石押さえといて」

「おー!」

「ちょ!金ちゃん!?やめ…!毒手すんで!?ってちょ、ほんまやめ…」

「金ちゃん。毒手からは私が守ってあげるからちゃんと押さえといてね。…さぁ、白石。何を隠した?さっさと出せー!」


「いやー!あ、でもやっぱ嫌やない 寧ろ良い!名無しさんに襲われてる俺!んーエクスタ「うっさい!誰がお前みたいな変態襲うか!」あん!そこはアカン…「だぁーー!!変な声出すなこのど変態がー!」




「なぁ、俺ら…どうする?」

「オモロイからもうちょっと見てこうや」

「部長が変態なんはわかってた事やけどあそこまでいくともはや犯罪者やな」

「名無しさんが不憫ばい」

「色即是空」

「銀さんったらそればっかり♪」

「あぁぁ…ホテルの人に怒られるんちゃうか…」






「取ったー!!」

「あぁぁあー!俺のマスターキー!」

「誰がお前のだ!これは私の部屋のマスターキーだろーが!」


やっとこさ、隠していたであろう白石の手から二枚目のマスターキーを奪い取った


「もうないだろうね?」

「うっ、うっ、俺のマスターキー…」

「違うっつってんだろーがこの馬鹿部長!」


バシンと頭を叩いて(パタリと倒れた白石) 取り上げたマスターキーを厳重に棚に仕舞う


「じゃあ、金ちゃん。この馬鹿を謙也と一緒に部屋に連れ帰ってもらえる?」

「えぇー、ワイ、名無しさんとトランプしたいー」

「ちゃんと連れて帰ったら合宿終わったら家でタコ焼き作ってあげる」


「ほんま!?ならワイ白石連れて帰るー!」

うんうん。素直な子は好きだよ


「謙也ー。後よろしくね。」

「おん。世話かけたな」

「本当だよ。」


ほなな。と白石を引きずりながら出ていく謙也を筆頭に皆それぞれに部屋へと戻って行った


「…やっと寝られる…」


少しだけ荒れた部屋もそのままに疲れた身体のままベッドへ倒れ込むとそのまま眠りについた
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