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□愛しいから
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「白石…さん…」


「なん?」


「あの、、放してもらえません…?」


なんでこうなったんだろう…



帰り、補習で遅くなったら調度同じクラスの白石君に会った。


彼も部活終わりの自主練を終了して帰る所だったらしく、外も暗いし危ないとの事で送ってくれると言い出したのでなんだか悪い気がしつつも甘える事にした



(白石君の事好きだったし…)






帰り道、他愛ない話をしながら二人並んで歩く。


白石君はテニスの話やら友達の話、色々してくれてとても楽しかった



そして、歩道橋に差し掛かった所で別れた…んだけど、



「何、考えてるん?」


「Σふにゃぁ!」


後ろから抱きしめられた状態でむ、胸を触られましたぁぁあー!!?



「ちょ、ちょ!白石君!落ち着いて!!」


「落ち着いとるよ。名字さんこそちょっと落ち着き」


はーい、深呼吸ー。とか耳元で囁く白石君。…さりげなく息を吹き掛けるのやめてぇー!!後、胸から手離してー!!



「白石君!!わっ私達そんな関係じゃないのにこっこんな…!」


「嫌?」


「嫌じゃ、な…い…ハッ!」

何言っとんじゃ自分んんん!!



怖くて振り向けないが今白石君が確実にニヤッて笑った気がする…!




「名字さん、大人しそうな顔して好きモンやなぁ」



違う!断じて違うんだ…!
それは相手が白石君だからな訳で、これが全然知らない奴だったらフルボッコしてますとも!!



「…〜〜っ!!」


ハズイ!ハズイ!恥ずかしい〜〜っ!!


抱きしめられてるから背中から伝わる白石君の体温とか、大きい掌とか、部活終わりなのに汗臭いとかなく逆に良い匂いとか……!!ヤバいんですけどー!




「…名無しさん」


「!」


なっ名前ー!?
え、名前呼びって…!うわー、どうしよ!?私絶対顔真っ赤だ!!



ペロッ


「ひっ…!」


くっ首!首!なめっ舐め…!?



「綺麗やな……。ほんま…

何で俺と帰ったん?」


「……え、」


白石君の言ってる意味がわからない…



送ってくれるって言ったのそっちでしょ?




「しらっ…ん!」



顔だけ白石君の方に向こうとしたら…



キス



されました…




「、ん…ふ…」


ふぁ、ファーストキスが…!



顔だけ向いていたつもりがいつの間にか白石君の方に身体全体向いてて唇を挟むようにキスされたかと思えばびっくりした拍子に開いた隙間にすかさず何かが入ってきた



ー知らないけど知ってる



「(白石君の舌!?)」




こ、これが噂に聞くディープキス!?…って考えてる場合じゃないー!!
うわー、うわー!どうすんのコレ!?



頭ん中は大混乱!それとは反対に身体からは力が抜けていく



「っ、ぅん……はっ…」



やっとこさ唇を離してくれた白石君に私は呼吸をするのもしんどくて、白石君にへなっとしな垂れかかってしまった



「大丈夫?」


優しく支えてくれる腕とは反対に悪戯っ子のように微笑む白石君



「…だ、大丈夫なんかじゃないよ…!なんっなんで、あんな…!!」



訳わかんない…!好きだったのに……



涙が浮かんでくるがグッと我慢して俯く


「……」



黙ったまま白石君に支えられる。…なんか私、虚しくない…?
考えれば考える程涙が滲んでくる



(からかわれたのかな?)



それだったらめっちゃショックなんですけど…



「……白石君、も…放して」

これ以上惨めになりたくない。あなたの事は犬に噛まれたと思い忘れますよ。

そしてこの不甲斐ない恋心も永久に封印しますよ


さようなら私の淡い恋心、

さようなら私の愛しきひ「嫌や」…え?



「離さへん。」


「しら、いし君?」




「…ずっと…ずっと、好きやったんや。せやから離さへん」





………What?



「…好きや。名無しさん、俺と付き合うて」




「え」


え…えぇぇえーー!?




「ま、マジですか!?」


いつの間にか引っ込んだ涙。少しだけ赤くなった目で白石君を見つめれば、彼は頬をかきながら照れ臭そうに頷いた




「マジか!」


「せやからマジや言うとるやろ!」



嘘みたいだ…あの白石君が私を好きだなんて…!


「なんや、順序バラバラなってしもうたけど……俺と付き合うてくれませんか?」


バッと頭を下げた白石君



そんなの、答えなんて決まってる




「……こんな私で良ければ」




「っしゃーー!!」


白石君は返事を聞くと思いっきり叫んだ
…絶頂って言わなくて良かった。って思った私はすでに彼女として失格かな…?




「ほな、名無しさん」


「っは、はい!」



「?何ビビっとるん?」


「い、いえ、別に…」



絶頂って言わなくてホッとしてた…なんて言えない




「これから俺ん家行こか」


「は…」

い?



「二年も片思いしてたんやから溜まりに溜まってしゃーないわ!さっきもあまりの可愛いさに我忘れそうになってん」


なんとか堪えたけどな!と笑って言い放つ白石君



「え?え?」



「今夜は帰さへんで」



何この中学生ぇぇえー!?




「ちょ!私…帰る…!」



「アカンよ。…今から俺とエクスタシー、感じよな?」



ぎゃぁぁあーーー!!




















(…二年前って、私白石君と会ってないよ?)


(テニスの大会で東京行った時に見てん。…一目惚れやったわ)


(マジですか!?)

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