tennis
□彼氏は俺だろ!?
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「なぁ…。」
「ん?」
「お前は俺と付き合ってるんだよな?」
「うん。」
「つまりお前は俺の彼女だ」
「そだね。」
当たり前な事を聞いてくる亮にそれが何?的な視線を送ったら先程まで眉間にシワをよせて口を開いていた姿から鬼のような顔に変わり私の膝元をビシッと指さしながら「じゃあこれはなんだ!?」と怒鳴りだした
「これって…」
これの事?と私の伸ばしきった足の膝上で呑気に昼寝をしていたジロちゃんを見る
「そうだ!!」
「…別に、今更じゃん」
ズコーッと跡部くんにねだって買ってもらった新発売のマンゴーヨーグルトを飲みながら適当に言えば、それが気に入らなかったのか腕組みしながら睨んできたよ…
「何をそんな怒ってんの?」
チョタくんが必死に亮を宥めてるけど興奮覚めやらぬ様子の本人は私のその言葉でキレた
「おっ前…!わかんねぇのかよ!?」
あーありえねぇ!!マジありえねぇこの女!!と頭抱えながら叫ぶ亮。
ねぇ、私が何したっつーのさ
「名無しさん先輩、名無しさん先輩、宍戸さんはヤキモチ妬いてるんですよ」
「は?焼き餅?」
「ちゃうで名無しさん、焼き餅やなくてヤキモチ。つまり嫉妬や」
嫉妬?亮が?
「なんで?」
ズベーッ!!
え、なんで皆コケるの?てか、何気に跡部くんもコケてない…?
「宍戸…不憫な奴」
「うるせー!!」
なんだなんだ?皆して今度は亮の肩に手を置いてるし、
「マジでなんなの。」
私だけ置いてけぼりとか寂しいじゃん。てか、可哀相な目で私を見るな、特に日吉!
「お前、本当にわかんねぇのかよ?」
「だから何が?」
いい加減私もイライラしてきたんだけど。
「おい樺地」
「ウス」
危険を察知した跡部が後ろで合図を出せば、未だ眠りこけるジローを樺地が名無しさんの膝からスッと抜き取った。
「普通わかるだろ!?」
「だから何が!?言いたい事あるんならはっきり言いなよ!!」
肝心な事を言わない亮に温厚な私でも流石にキレた。うん、逆ギレってヤツだよ。
「だから!ジローにひ、膝枕なんかすんなって言ってんだよ!」
「なんで駄目なの!?ジロちゃんは幼なじみだし、昔からしてたんだから別にいいじゃん!!」
「そーゆー事じゃねーつってんだよ!!」
「あーあー、喧嘩し始めたぜ。どーすんだよ有士ー」
「俺に振るなや。…どないすんねん跡部。」
「知るか。鳳、止めてやれ」
「こうなったら俺でも止められませんよ」
テニス部レギュラーが呆れる中、絶賛喧嘩中な二人は既に口喧嘩じゃ飽きたらず、その辺に散らばっている物まで投げ出しヒートアップ
「大体亮は一々細かすぎ!!やれ、スカートが短いとか、姿勢が悪いとか、お菓子食い過ぎとか…!アンタはあたしのオカンか!!」
「誰がオカンだ!!それはお前を思って言ってやってんだろーが!てか痛ェ!?」
「それがお母さんみたいだって言ってんの!!少しはあたしを甘やかせ!」
「甘やかしたらお前つけあがるだろーが!つーか、その前にジローを甘やかすな!!」
「ジロちゃんは今関係ないでしょ!?」
「大有りだ!!ジローに膝枕とか頭撫でたりとかむやみやたらにくっついたりとかすんな!」
「なんでよ!?」
「そんなの決まってんだろ!」
彼氏は俺だろ!?
(要はヤキモチか)
(うっせー!!)
(絶対ぇジローにはもうするなよ。それは俺だけの特権なんだよ)
(亮…かわいい(笑))
(うるせー!)