境界線の間

□猫への思いで生まれた涙
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>とある日、俺と白銀は気分で散歩をしていた。
>気分…つっても白銀が「散歩しましょ!!」っていきなり言ってきたから仕方なく来てるわけだが。
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>…今ふと思ったんだけど、周りの奴からは白銀は見えてねえわけで…
>じゃあ俺ぼっちの暇人野郎って思われてるんじゃねーのか!?
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>…いやないか。うんうん考えすぎだ俺。
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>「…大丈夫ですか?さっきから百面相してますけど…」
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>「え?ああうん、大丈夫…なはず…」
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>「まあそんな所も可愛いからいいんですけどねww」
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>「なっっ…!!笑うな!!」
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>思わず昶はそっぽを向き、耳まで真っ赤にさせていた。
>その姿に白銀はまたクスッと笑った。
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>しばらく公園をブラブラしていたら、横から動物の鳴き声が聞こえた。
>昶は横を振り向き、視線を落とすと、そこにはダンボールの中に一匹の猫がいた。
>その猫を見た昶はパッと表情が明るくなった。
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>「どうしたお前〜捨て猫か?」
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>「あらあら…可愛そうなこと…」
>「…どうしようか?このままほっとけねえよ」
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>「…でも家には一匹いるでしょう?」
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>「いーじゃんもう一匹増えたって!」
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>どうやら連れて帰る気満々のようだ。
>でも猫が増えたら私と昶くんと一緒に居られる時間が少なくなる…それだけは嫌だ。
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>「もう一匹いるのでやめましょ!」
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>「可愛そうじゃねーかこの猫!」
>分かる。猫は可愛そうだ。
>でも私は猫より昶くんの方がずっと…
>猫に嫉妬するほど私は昶くんを愛しているのに…
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>「本当…昶くんって鈍感ですね…ッ」
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>「…!?えっ…!?俺なんかした…!?」
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>白銀が突然泣き出した。
>それも静かに。
>涙の音も立てずに泣いた。
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>「私は…っ昶くんとこうしていられる時間が一番幸せで…っ!でも…猫がまた増えたら…ッ!」
>その発言で昶は酷く驚いた。
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>「ごめん…猫は諦めるから…泣くな…」
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>「…昶くん…!!」
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>猫は諦めたがそのままにはしておけないので、その後二人仲良く他に飼い主を探したのだった
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