●○艶モノ※壱拾八禁※○●

□焦と狂
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久しぶりの俊太郎さまとの逢瀬。



私は高鳴る胸を抑えきれず、口上もおろそかに、



座敷の奥で優雅に杯を傾ける俊太郎さまに駆け寄った。



『っと…』



勢い余って倒れ込むように抱きついた私をしっかりと受け止めてくれる逞しい胸。



「逢いたかった……」


『わてもや』



痛いくらいにお互いを抱きしめ合って、


これから始まる俊太郎さまとの甘い時間を想像して、私の鼓動は静かに加速していく。



けれど、そんな私の逸る鼓動を、俊太郎さまの言葉が失速させた。



『すんまへん、○○はん。楽しい時間の前に、この隣の部屋に会わないかんひとがおるさかい、ちぃと待っとっておくれやす』


「それなら、私も……」


『すぐに終わりますよって……ええ子で待って居れたら、ご褒美をあげまひょ。それを楽しみに待っとって』



私をなだめるように、額にひとつ口付けを落とすと、



俊太郎さまは部屋を出て行った。



俊太郎さまと逢えるのは本当に久しぶりなのに。



一分一秒が惜しいというのに。



独り取り残された部屋で、さっきまで俊太郎さまが口付けていたお猪口を手に取り、



得意でない酒を少しだけ注いで、やけ酒のようにくいっと飲み干す。



「ぅえ…」



・・・やっぱりダメだ・・・・。



酒で気を紛らわすこともできず、私は仕方なく障子戸を開け、窓枠に頬杖をついて夜空を見上げた。



秋の澄んだ空に、煌々と眩いほど光り輝く月が高く昇っている。



十五夜の夜に俊太郎さまの言った言葉の意味をついこの前知った。



後日、お座敷で逢った時。



“俊太郎さまの悲しむようなことは絶対にしませんから”



そう伝えると、彼は“約束やで”と優しく微笑んでくれた。



今日は十三夜。



片見月は縁起が悪い。



もしかして・・・



今日は無理に時間を作ってくれたのかな・・・・。



そう思うと、彼が愛おしくてたまらなくなった。



隣の部屋からは、会話の内容まではわからないけれど、俊太郎さまの声が聞こえる。



鼓膜を擽るようなその声で、耳元で囁くように・・・・。



私の名前を呼んで欲しい。



器用なその指先で・・・・。



肌に触れて欲しい。



柔らかなその唇で・・・・。



甘く口付けて欲しい。



俊太郎さまと過ごす、甘くてちょっぴり大人の時間を想像して、


私は窓辺で月を見上げながら、独り頬を染めていた。





―――


「お待たせしました」


「っ!?」



突如耳元で聞こえた声に、びくっと肩を跳ねさせる。



いつの間にか独り取り残された寂しさも忘れるほどに、私の頭の中は華やかな妄想を繰り広げていた。



「!…お帰りなさい……お話はもういいんですか?」



『へえ』



窓際に座っていた私を、俊太郎さまは背後から優しい温もりと、甘くほろ苦い大人の香りで包み込む。



『残りの時間は……全てあんさんのために……』



耳元で低く響く声が鼓膜を震わせる。



「今日が十三夜だってこと、ご存知でしたか?」



『もちろん。そやさかい、こうしてあんさんに逢いに来たんや……綺麗な月や』



「本当に。……十三夜も俊太郎さまと一緒に過ごすことができて、嬉しいです」



そう言って俊太郎さまと一緒に月を見上げ・・・・


足から伝わったぞくりとした感覚に、私はぴくりと肩を跳ねさせる。



「あのっ…俊太郎さま!?」



月に見惚れている間に、裾の合わせ目から俊太郎さまの手が割り込んでいた。



腿を這うように足の付け根まで到着した指先は、



次に横移動を始め、下腹を擽るように何度も往復する。



「……俊太郎さま、くすぐったい」



身を捩る私をしっかりと捕まえて、下腹からするりと降りた指先は、秘裂へにゅるりと滑り込む。



いくら足を閉じて抵抗しても、その死角を狙ったように上部から滑り込んで来た一本。



その侵入を許してしまえば、容易に辿り着く一番イイトコロ。




「はぁ…」



『もう濡れてはる……わてを待ちきれんで、こないにしてしもうたの?』


「っ……」


『ふっ…かいらしい……どんなご褒美を想像して、わてを待ってはったんやろか……』


そう言いながらも俊太郎さまの指先は、疼く陰核を優しく撫でるように愛撫する。



「あぁ…っ」



『せやけど、あかんなぁ……。

ええ子で待っとって言うたのに、ひとりでもうこないになってしもては……。

こらご褒美やのうて……お仕置きせな』



耳元で囁く妖しげな色を含む声に、蜜壺からじわりと愛液が染み出てくるのが分かる。



『……じぃっくり焦らされてもっと溢れさしてほしいか……

狂うほどに何度も昇天させられるのがええか……』


「ぁあん…っ」


優しく撫でていた指先が、陰核をきゅんと押して、俊太郎さまは私に答えを要求する。



『○○はんは、どちらのお仕置きがお好みどすか?』





・・・焦らされたい・・・



・・・狂わせて・・・
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