●○艶モノ※壱拾八禁※○●

□指〜快楽篇〜
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髪を梳いて 可愛い可愛いと 私を愛でる指

こぼれる涙の雫を優しく拭って 私を慰める指

膨れた頬をつついてどこまでも 私を甘やかす指



そして・・・快楽の渦の中へと 私を導く指


―――

性急に私を求める彼の

少し骨ばった長い指が唇を割って口内に押し込まれる

その綺麗な指を傷付けてしまわないよう 口唇を開けば

切なさと快楽で溢れるくぐもった声と銀雫が零れ落ちていく


わざと解かれない帯

胴をしっかりと締めつけたまま 男女の情交に必要な部分だけを露にしている

それがまた色慾を誘った




――お座敷に入るなり

俊太郎さまは少し乱暴に私を抱き寄せ 首筋に噛みつくような口付けを始めた


いつもなら めかしこんだ私を優しい眼で見つめながら

俊太郎さまは 頭の先から足の先まで褒めてくれる

けれど今は 私を着飾った衣装などに興味はないとでもいうように

欲のままに荒々しく求められている

いつもと様子の違う彼に戸惑いながらも 私はその快楽に溺れていた



大人ぶった薄鈍(うすにび)色の着物で

頑張って彼好みに着つけた努力も もう跡形もない

それを悪くないと思ってしまう自分を

厭らしい子だと思って勝手に恥ずかしくなるけれど

そんな思いなど彼がすぐにどこかへ吹き飛ばしてしまう


胸元を左右に大きく割いて剥き出た両肩

艶やかな帯の上に晒し出される二つの房

彼の膝の上で視線を絡ませながら がっしりとした肩に手を置いて

すでに充分に量感を保った彼自身の上で大股を開く



口内に押し込められた指が舌を優しく挟んで 舌上を擽られれば

自然と自らその指に舌を絡みつけてしまう


彼のもう片方の手と唇と舌が知り尽くした 私のイイところを的確に弄って

開閉を許されない口では抗議の言葉もままならない


『……指……噛んでええよ……
わてとあんさんが激しく求め合うた情交の痕を残しとくれやす……』

「…ぁう…」


ふいに 体の中心で疼いていた小さな豆粒をきゅっと押し潰され

私は思わず彼の指を強めに噛んでしまう

・・・ごめんなさい・・・

口で言えない代わりに涙目の視線を送ると 俊太郎さまはくすりと妖艶に笑う


『……もっと、強う……』


挑発するような酷く熱っぽい視線

私は泣きそうになりながら首を左右に振った


「…あめっ(だめ)」


私の必死の抵抗も受け入れる余地などないと言うように

意地悪な笑みを浮かべた直後

曝け出されていた二つの膨らみからツンと突き出た花芽に

彼は甘く歯を立てた


「…!んんっ!」


痛みの中に感じる快楽に頭が混乱して 彼の指にしっかりと切歯が喰い込んでしまう

潤む視界に映った俊太郎さまの表情が 痛みでわずかに歪んだのが見える

けれどその顔はすぐに 満足げな笑みを浮かべ私を見上げた


そして 銀糸を引きながら口内から取り出された彼の指には

くっきりと残った歯痕から ほんの僅か 血が滲んでいた

その鮮血を 獲物を狙うような視線で私を捉えながら

俊太郎さまの赤い舌がぺろりと舐め取る

眩暈がしそうなほど妖艶なその仕草に 私は謝ることも忘れ

痺れた頭で ただぼうっと見つめていた


――と 胸元で感じるざらりとした感触に 再び意識が鮮明に戻る

彼の舌先が胸元まで伝った銀雫の軌道を口元に向かって這い上がり

引き抜かれた指の代わりに 今度は指の硬質な感触とは違う 

柔らかく厭らしく動き回る舌が口内に挿し込まれる

そして 先程まで咥えていた自ら湿らせた彼の指は 下の口に挿し込まれ

それは焦らすこともせず 軽快に濡音を響かせながら

容赦なく私を追い込んでいく


『…指…濡らさんでも十分やったね……』


激しい口付けの隙間で羞恥を煽るように囁かれて 体の熱をさらに上げながら 

さほど時間を要せずに逝かされてしまった私の肌は桜色に色づいた

それを 俊太郎さまは愛おしそうに見つめて 感嘆の声を洩らす


『……今日のお召し物によう映える……ほんに、美しい……
ここに花が散れば、いっそう美しい……』


言った彼の唇が 淡く染まった肌の上に真紅の花びらを散らしていく


『……○○はん……ほんまはもっともっと気持ちようさせてやりたいんやけど
……今日のわてには無理そうや……すんまへん…っ』

「…あぁぁ」


優しく仰向かされた後

押し込まれた熱に仰け反らせた私の腰をしっかりと引き寄せて

彼の腰が激しく波打つ


果てる事を知らない 彼の欲熱に・・・




――再び目を開けた私は

朝の柔らかな陽と俊太郎さまの腕に包まれていた




おわり☆ミ

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