●○特別○●

□旦那様はペット
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※少々特殊な設定になっております。苦手な方は回避してください※








名前:シュンタロー(愛称:シュンちゃん)
性別:♂
年齢:33才
性格:大人しく穏やか、忠誠心が強い、寂しがりやで甘えん坊


<飼育方法>
本を読んだりして室内で過ごすのが好きなので、散歩は週に一度程度で十分です。
休日は近くの公園や自然が多くある場所に連れて行ってあげましょう。
寂しがりで甘えん坊なくせに、あまり感情を表に出すタイプではありません。
そこを考慮して、スキンシップは積極的にとってあげてください。
あまりにも構ってあげないと弱ってしまって、命に関わることもあるので十分気をつけてください。

種別問わず(人間を含める)メスに目をつけられやすいので要注意。
単独での外出は危険を伴いますので、必ず飼い主さんが同伴することをお勧めします。


<その他特記事項>
他の種類に比べ、スキンシップが多いです。
きわどい所を攻めてきますが、ペットなので一線は超えません。
それに耐えられる忍耐力を身につけることも飼い主としての心得です。





***


玄関を開けると・・・



カレの癒し効果100%の笑顔が出迎えてくれる。



それを見ただけで、私は全身ふにゃふにゃに。




「おかえり」



「ただいま。ごめんね、ちょっと遅くなっちゃっ…んん…くすぐったいよ」




一歩家に入れば、すぐにその大きな体で私を包み込んで、



頬を擦りよせ、じゃれついてくる。



カレは私の首筋に顔を埋め、私はカレの広い胸元に顔を埋め、



胸いっぱいに互いの匂いを吸い込む。



澄んだほろ苦さと、鼻から抜けた後の残り香に甘さを感じるのカレの匂い。



何度も嗅ぎたくなるような、クセになる、私の大好きな匂い。




「シュンちゃん、くすぐったいってば……あ、そうだ、ご飯は?」



「まだ。○○がおらへんと、わてはなんにもできひんのやで?」




可愛くじゃれてたかと思えば、不意打ちで色気を放出する。



低音の甘い響きを持ったカレの声。



それが耳元で囁けば、甘いシビレが背筋をぞくりと這い上がる。



多分、カレは自身が女を惑わす色気を放っていることなどは無知。



罪なヤツ。




「じゃあ、ご飯すぐ作るね」




そう言っても、カレは私を捕まえて離してくれない。



ただその深い色をした綺麗な瞳でじっと私を見つめて。



甘えるような、ねだるような、誘うような・・・



毎日のことなのに、未だに慣れなくて、その瞬間はどうも照れくさい。



それをスルーしてもカレは怒ったりなんかしないけど、ものすごく寂しそうな瞳をするから、



こっちのほうが罪悪感に耐えきなくなってしまう。



無言の催促に、カレの頬を両手で包んで引き寄せ、その薄い唇をちゅっと啄む。



すると、カレは満足げに微笑んで私を開放する。



これはすべて主従関係の中のスキンシップに過ぎない。



彼にとってキスの意味は、それ以上でも以下でもないのだ。





―――



お腹をすかせたカレのために、早速キッチンに立ち、準備に取り掛かる。



カレは家にいる時は私にべったりで、片時も傍を離れようとしない。



今日はほんの少しだけ帰りが遅くなってしまったせいか、



いつにもまして甘えん坊ぶりを発揮している。



軽快に包丁を動かす私の背後に立って、きゅっと抱きついて。



気にせず作業を続けていると、肩に頭をもたれてこちらを覗き込んでくる。




「なぁに?」



「手伝おか?」




お手やお座りの代わりに、家事なども教えてあげれば、



器用なカレは私よりも上手くこなすこともある。



基本的に、私が頼まない限り家事に手を出すことはないのだけれど。



だからこそ、こうして自分から言ってくる時は構って欲しい証拠。




「今日は大丈夫。すぐできるから、いい子で待ってて」




そう言っても、後ろから回した腕を離す気配はなく、



それどころか、首筋に唇を押し当ててくる。




「…っ、シュン、ちゃん…だめ!」




耳の輪郭を舌先がなぞるように舐めて、耳朶を甘噛む。



背筋がゾワゾワするのを必死に堪え、構わにずいると、始まるのはうなじ攻め。



柔らかな唇が、首裏を、ちゅっ、ちゅっ



肌を吸われる感覚に、腰が抜けそうになる。



必死に耐えているこっちの気持ちなどカレが知る由もなく、



それは私が反応を示すまで続く。



胸元で組まれていた手は、いつの間にか下腹の辺りをさわさわ。




「っ〜〜〜」




これだけしといて、カレとその先はない。



それはカレと暮らす為の条件。



カレにとってこれはただの愛情表現。



構って欲しくてちょっかいを出してるだけなのだ。




「あーーもぉぉぉ!だぁーめっ!ほら、危ないから!」




そんなんじゃ聞かなくて、



気付けばスカートがお尻が半分出るまでたくし上がっていた。




「あーそういうことするとベッド禁止ね」



「そら困る」



「じゃあ、ちゃんと座って。いい子で待ってて」




そう言うと、カレは素直にキッチンの向こう側へ回って、カウンター越しに椅子に座った。



言う事を聞かない彼に一番効く言葉。



『ベッド禁止』



ウチへ来た当初、カレはソファーで眠っていた。



ベッドよりも寝心地がいいらしく、肘掛けを枕にして。



それがいつからか、朝起きるとカレが私の隣で寝ているようになっていて。



それを許しているうちに、ベッド・・・というより私の隣じゃないと眠れないとか言い出して。



私達は、シングルベッドにぎゅっと身を寄せ合って眠るようになった。



だから、私にベッドで寝ることを許してもらえないのは、カレにとっては一大事なのだ。



それを素直に聞くカレがまた可愛くて仕方ない。



私から離れても、何をするでもなく、



ただ頬杖をついて、キッチンカウンターの向こうから、



幸せそうにずっと私を見つめている。




「明日休みやったでしょう?」



「うん」



「天気ええみたいやで」



「……?そう……じゃあ、お弁当持って、公園にでもお散歩行こうか」



「……ええの?無理してへん?ほんまは休みたいんと違う?」




自分の欲だけを通さず、カレはいつも必ず私を気遣ってくれる。



その優しさがまた愛おしい。




「ううん、全然。シュンちゃんといれば癒されるもん。疲れも吹き飛んじゃうよ。
ゆっくりお散歩したら、リフレッシュもできていいし」



「ほんま?」




そう言って笑うカレはとても可愛らしい。



あまり感情を積極的に表に出すタイプではないから、



その笑顔が見たくて、カレを少しでも喜ばせようとしている自分もいる。



どきりとするほどきれいに笑う時もあれば、



今みたいに、ご褒美をもらった少年のように無邪気な笑顔を浮かべる時もある。



そんなカレのギャップに、どうしようもなくメロメロにやられてしまうのだ。





―――



一緒にご飯を食べて、



カレが先にお風呂に入って、その後に私が入る。



そして、カレはベッドで私を待つ。



私とカレの暗黙のルール。




二人で使うには狭いシングルベッド。



だけどカレとなら、逆に居心地がよかったりして。



他愛のない話、時には愚痴を聞いてもらったりしながら、



カレに触ってもらうのが、毎日の癒しのひと時。




「おかえり」




お風呂から部屋へ戻ってくる私に、カレはいつもそう言う。



カレの”おかえり”は”寂しかった”の代わり。



本当は、お風呂だってカレは一緒に入りたいんだと思う。



でもそれは、私が色々とムリだから絶っ対だめ。




「……まだ少し髪の毛濡れてはる……ちゃんと乾かさへんと、風邪引くよ?」



「いいの」



「わてが待ってるからて、気を遣うてくれたん?」



「………」



「それとも……そんなに早くわてに逢いたかった?」



「違うし!……シュンちゃんだって待ってたくせに」



「わては○○に早う逢いたかったから。こうして○○をぎゅっとしたかった」




言葉がストレート過ぎるところはちょっと困る。



嬉しくて照れくさくて恥ずかしくなっちゃうから。



デレデレのデレ顔を隠すように、その広い胸板に顔を埋める。



すると、カレも私をぎゅーっと抱きしめ




「……あったかい。……ええ匂い」




私の髪の毛に鼻先を埋めて、すーっと息を吸い込む。




「んんーくすしゅぐったい…」




カレの前では、甘えて、笑って、泣いて・・・飾らない素の自分でいられる。



今ではもうカレ無しでは生きていけない。




「シュンちゃん?…ずぅっと一緒に居てね?」



「おるよ。ずっと○○のそばにおる。……○○がわてを捨てへん限り」



「捨てないよぉ〜」



「ほんまに?」



「ほんま!」



「ほんまにほんま?」



「ほんまにほんま!」



「ほんまにほんまにほんま?」



「ほんまにほんまにほんまっ!」




・・・ゴールの見えないやり取り。




そんなふうに、カレと戯れながら



今日も夜は更けていく。





おわり☆ミ

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