●○艶モノ※壱拾八禁※○●
□焦と狂
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【焦】
『その前に……久々に○○はんの三味線が聞きたおす。一曲お願いしてもよろしいやろか?』
「……三味線、ですか?……わかりました」
突然の俊太郎さまの要望を不思議に思いながらも、荒くなり始めた呼吸を落ち着かせ、
私は彼に向き直り、用意されていた三味線を構える。
そうして、演奏を始めて間もなく。
ふいに俊太郎さまが立ち上がった。
選曲がお気に召さなかっただろうかと、不安げに見上げると、俊太郎さまは妖艶に微笑む。
『わてのことは気にせんで、続けておくれやす』
そう言いながら、俊太郎さまは私の背後に回り込んだ。
「っ!」
直後、首筋に感じた柔らかい触感と、耳元で聞こえる艶やかな息遣い。
思わず演奏を止めてしまう私に、俊太郎さまは低く囁く。
『手を止めたらあかんよ』
「で、でも……っ」
『綺麗な音色で、わてを楽しませておくれやす』
そう言われて、私は仕方なく演奏を再開する。
背後から俊太郎さまの唇が、舌が、縦横無尽に這い回る。
首筋から耳、そして少し肌蹴けて露出した肩に。
私は出来るだけ三味線を弾くことに意識を集中させ、今にも乱れそうな息を必死に堪えた。
けれどそれは、悪戯に俊太郎さまを煽るだけだったようで。
『まだ余裕なようやね』
そう言うと、俊太郎さまは私の胸の合わせ目をぐいっと広げ、胸を揉みしだき始める。
「はぁ…っ」
思わず零れた熱い吐息。
彼の舌は厭らしい音を立て耳を愛撫し続け、強くもなく弱くもない程良い力加減で胸を弄られる。
柔肌だけの戯れがもどかしくなってきた絶妙な頃合いで、
「…あぁんっ!」
固くなった花芽をこりっと抓まれ、たまらず快楽の声を上げながら、
私は三味線の音を大きく外した。
それにくすりと笑った俊太郎さまが、意地悪く囁く。
『どないしはったん?今日の○○はんの三味線は不調のようやね?
……まあ、そないなところも、かいらしくてわては好きや……』
ただ耳元で言葉を紡いだだけなのに、
血液が炭酸水になってしまったように、身体中の細胞がじゅわっと踊り立つ。
すると俊太郎さまは、私の懐に手を差し入れたまま、空いている方の手で、
正座している膝を掴み、片足を崩させた。
「ゃっ…俊太郎さまっ」
ひんやりとした秋の夜風が凍みるほどに、そこが存分に濡れていることを自覚する。
『三味線……続けて』
言われるがまま、私は再び手を動かす。
きっと近くのお座敷では下手な三味線が聞こえてくると、笑われているだろう。
習いたての子だって、もう少しマシな音を出す。
内股を行ったり来たりする俊太郎さまの手の平に、身体から力が抜けていく。
こうなってしまっては、私はもう俊太郎さまの操り人形だった。
先程触れられた陰核がここに触れてくれと、どくどく脈打っている。
無意識にもぞもぞと動く私の足指を見て、俊太郎さまが吐息で笑う。
『そろそろ、ようなってきた?』
「っはあ…あぁ……」
秘裂を愛液を絡ませた指先が行ったり来たりしながら、胸の花芽をいじられて、気持ちよさに声が漏れる。
『ほら、あかんよ。手ぇがお留守や……』
思わず三味線を弾く手が止まると、すかさず俊太郎さまに注意されてしまう。
力の入らない手で何とか演奏を続けるけれど、もう何の曲を弾いているのか分からない。
力が入らず震える手がバチを落としそうになったその時・・・
「いゃぁっ!」
滑り込むようにちゅるちと秘裂を割った指先が、びんびんになっていた陰核を押し潰した。
弾みで強く弾いた三味線の弦が、びよん、と不協和音を響かせ切れる。
『……あぁ、切れてしもたね。
ええ、ええ。三味線が駄目になってしもたら、今度は○○が啼いて、わてを楽しませてくれればええ。
わてにとってはどないに価値のある名器よりも、○○の艶声は極上の音色やさかい』
そう言うと、俊太郎さまは私の肩を引いて自分の胸元に寄りかからせる。
私は三味線を放り投げ、両足を崩し、だらしなく背を預けた。
俊太郎さまの指が卑猥な音を奏でながら中を掻きまわす。
余った手指が陰核を擦り上げ、唇と舌は相変わらず器用に耳を愛撫し続けている。
耳などもう溶けてなくなってしまいそう。
「あっ、んんっ、やっ…」
『……かいらしい音色や』
周りのお座敷に声が漏れないように口を閉じれば、鼻から抜ける喘ぎが余計に厭らしい。
「ぅんあ…ぃっ」
そうしてやってくる快楽の波に呑み込まれる寸前・・・
引き抜かれた指、離れて行く唇、胸元で激しく動いていた手も止まり、
私は寸前でお預けを食らってしまった。
『言うたやろ?お仕置きやと……そう簡単に気持ちようさせてあげへんよ』
その後も、指で、舌で、唇で。
追い詰められては寸前で引き返されてしまうことを何度も繰り返し・・・
「……やぁ…もぅ……」
我慢の限界を超えてしまった私は、股間を弄る彼の手を弱々しく掴んだ。
すると、その手を逆手に取られ、あっという間に俊太郎さまに組み敷かれてしまう。
見下ろす俊太郎さまを、虚ろな目で見つめると、
火傷してしまいそうなほど熱っぽい視線に見つめ返され、
それだけでもうどうにかなってしまいそうだった。
『わてもそろそろ限界や……』
「…ぁあんっ」
もうどろどろに蕩けていた私は恥ずかしいくらい簡単に彼を呑み込み、
与えられる波動に、その先の快楽をやっと許された。
おわり☆ミ