STAGE GEAR 第三章

□それは、墜ちる感覚
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アタシは、寝付けず、テントの外に出て、火事の煙で覆われた灰色の空を見上げる。
膝の上に丸まったラスタをなでながら、少しボーっとしていた。
二人はなんとか寝れたようだけど、悪夢を見ているのかうなされていた。
まあ、それでもアタシは、少しでも寝れたほうがいいと思い、二人をそのまま放置してきたけど。
夢を見ているような、浮いている感覚がアタシの思考を支配して、色んなものがこぼれている気がする。
とくに、考えるべきことは無いかもしれないけど、それでも何かを考えずにはいられないのよね。
取り合えず、これまでのまとめをする。
まず、アタシは、みんなより早く、この世界につれてこられて、ラスタとめぐり合った。
そして、ラスタと契約したアタシは、ラスタの言葉を信じて、この世界に来ているはずのほかのみんなを探し始めた。
その間に、三人は砂漠のほうにつれてこられて、楓が消息不明になった。
フルアーマー状態のアタシの機動力だと、あの砂漠までそれほど時間は掛からなかけど、たまたま見つけた二人を救うことしかできなかった。
……楓に関しては、本当にどうしようも出来なかったんだよね……?
あのバカは鬱陶しいけど、居ないと何だかんだ寂しくなる。
少し……悲しくなってきた……。
アタシは、膝を抱える。
その時、馬の嘶きと蹄の音が聞こえる。
それも多数だ。
どこかからの支援かなにかだろうか?
空に切れまが生じ始めた。
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