STAGE GEAR 第三章

□それは、墜ちる感覚
3ページ/3ページ

「……?」
僕は固まった二人を見た後に、普通に挨拶を返すことにした。
詩織さんはこの騎士団長を見つめながら恥ずかしいポエムでも浮かべていそうだった。
ともかく、僕が変わりにあいさつしないと。
「はじめまして。揺木雪道です」
「私は、副団長シルバリアです。この事件と、リバティギアについてお話を聞きに参りました。ほら、団長、ボーっとしないで!」
「あ、すまない……。君たちに、事情聴取というか、詳しい話を聞きたくてね」
「あの、アタシもあなたに聞きたいことが……」
「……私も君と話がしたいなって思ったんだ……」
……なぁにこれぇ。
僕は二人から醸し出される不思議な空気に圧倒された。
砂糖菓子のように甘い。
きっと楓さんがここにいたら適切な突っ込みか冷やかしをしてくれるのだろうけど、僕には無理だった……。
「……では、私から2、3質問よろしいでしょうか?」
「あ。はい。どうぞ。答えられることならなんでも!」
シルバリアさんの言葉を受け、僕は慌てて返事をした。
こうして、二人ずつに分かれて話をすることになったのだが……同じ目的のはずなのに、空気は全く違うのだった
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ