排球部と
□眠るきみに秘密の愛を
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部活が終わって、帰るのが最後になった俺は、鍵をかけようと、体育館の中の鍵を探していた。
普通に考えたら部室にあるだろうと思って部室を開ける。
案の定、部室のロッカーに鍵はかかっていた。
早く帰ろうと、部室を出ようとした時。
「う〜ん………。」という声が、部室の奥から聞こえてきた。
誰がいるのかと、声が聞こえた方に歩み寄ってみると。
俺の想い人…………、紫歩が、机にもたれかかりながら、気持ちよさそうに寝息をたてながら、眠っていた。
何でこんな時間にこんなところに?
そう思いつつ、好きな人の寝顔はやっぱり気になって、覗いてみる。
「……………!」
見なければよかったと後悔した。
それは、とても幸せそうな顔で、何というか………。
言い表すことはできないけど、破壊力のある可愛さだった。
なかなか言う機会がなくて、気持ちは伝えていない。
俺は息を飲んだ。
すると、床についていた手の指が、ぎゅっと握られた。
「………………。」
紫歩は、何かふにゃふにゃと寝言を言うと、微笑んだ。
その姿が、あまりにも愛らしすぎて、無防備すぎて、俺は紫歩の頭を撫でてしまった。
今は伝わらないけど、いつか伝える秘密の想い。
「……………好きだ。」
そう言うと、紫歩が、また微笑んだ気がした。
*
排球部とへ