排球部と

□きらめきに誘われて
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クリスマスイルミネーションが輝く街。


今日は、クリスマスイブだ。


私と蛍は、クリスマスデートに来ていた。


「蛍〜! ほら、こっちこっち!」


私は、面倒くさそうな顔の蛍をぐいぐい引っ張った。


「また雑貨屋行くの? さっきも雑貨屋だったし、その前も雑貨屋だったでしょ。」


「蛍は、雑貨屋のいい所を絶対知らない!」


「雑貨屋のいい所って何…………。」


私は、そう言って無理矢理蛍を雑貨屋に連れ込んだ。


別に、雑貨屋のいい所をペラペラと語れる程に雑貨屋が好きな訳ではない。


ただ、あまり行かないデート…、しかもクリスマスデートで、蛍とお揃いのものを買いたかったのだった。


でも、そんなこと口が裂けても言えないし。


何とか成り行きに任せて頑張るつもりだ。


「ねえ、蛍! これ可愛いね!?」


私は、雪だるまのフィギュアを蛍に押し付けた。


雪だるまのフィギュアなど、特にどこが可愛いとか思う訳でもない。


けれど、蛍と会話を作りたくて、変なことを言ってしまう。


「……………紫歩はそんなに雪だるま好きなんだ。さっきから雪だるまばっかり僕に見せてくるけど。」


蛍の冷たい眼に、私は少したじろいだ。


「か、可愛いから!」


───────ダメだ。


自然な会話ができない。


私は、本当に何かいいものはないかと辺りをキョロキョロと見回す。


そんな時。


私の目に、温かい色のものが映った。


私は、思わずそれを見つめてしまう。


それは、小さなランプだった。


サンプルのものには、暖色系の色とりどりのランプに、これまた暖かい色の灯がともっていた。


「綺麗……………。」


私は、思わず呟いてしまった。


蛍は、そんな私を見ると、棚からそのランプが入った箱を取り出した。


「…………………オレンジでいいよね?」


蛍の言葉に、私はハッとして我に返る。


スタスタとレジに行こうとする蛍を、慌てて止める。


「け、蛍! ちょっと待って!」


「…………………どうしたの?」


怪訝そうな顔でこちらを振り向いた蛍に、私は顔を俯かせながら、言った。


「………………蛍と、お揃いがいい…。ふ、2人でプレゼントしあいたいの…。」


顔が熱い。


絶対真っ赤だ。


こんな恥ずかしいこと言ったことないし。


「…………なあんだ、そういうこと。」


蛍は、ランプの置いてある棚へと歩くと、黄色のランプを取った。


「ほら、行こ。」





「えへへ………。蛍、ありがと。今日は家でこれに火つけとくね。」


店から出た私は、頬が緩むのを抑えられなかった。


笑いながら蛍の方を向くと。


チュッ、という軽いリップ音と共に、蛍の唇が私のそれに触れた。


それは、すぐに離れて、蛍は意地悪な笑みで私を見つめている。


「………………蛍っ!? 何を……!」


「何をって………。あんな可愛いこと言われて堪えた僕にご褒美くらいくれたっていいでしょ。」


「か、可愛いこと………………?」


私の頭に、あの言葉が浮かんだ。


「蛍の馬鹿────っ!」


私たちは、イルミネーションで輝く街に飛び出した。


きらめきに誘われて、


私たちは街を仲良く歩く。





排球部と
 

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