05/01の日記
20:28
レゴラス
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人間の村で育てられていたエルフ的な設定
苗を植える
若葉色の、青々とした苗を植える
「今度こそ、立派に育ちますように」
戦いが終わり、平和が訪れた初めての年
毎年毎年、育てては戦で焼かれ、育てては野盗に折られを繰り返した
「彼のような、新緑の苗なら、きっと」
新しい世への希望をこの苗に託し、今はもう存在しない、故郷の跡地に植えた
「新しい世を。あなたも、私も」
少し離れたところから、彼が駆けてくる
「僕の年齢よりも、ずっとずっと、長く生きるんだよ」
そう彼も苗に声をかけ、優しく土をかける
「さあ、行こうか」
私にそう声をかけ、微笑んだ
「君の故郷が、この子を見守ってくれるよ」
だから安心して、この子を託したらいい
「季節が巡るたびに訪れよう。二人で、いつまでも」
そう言って、私の手を握る
「ここも、いつか大きく豊かな森になる。そうして君の故郷は永遠になる。寂しくなんかない、僕もいる。」
ふんわり笑う彼につられて、私も笑う
「永遠に、森の記憶になれるのね」
「そう、僕たち二人がこの森の最初の記憶にね」
そうして二人、手を繋ぎ
故郷を後にした
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