05/05の日記

23:43
ボロミア
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「着いてくる理由は?」

お腹を空かせたホビットたちのため、昼食の準備を始めた一行。ボロミアは、十人目の人物の横に腰を下ろし、そう尋ねた。

旅の序盤、つい昨日裂け谷を出発したところ。

旅の仲間九人に、飛び入り参加の彼女。

「申しました通り、道案内ですよボロミア殿。」

確かにガンダルフは道をよく知っているが、この辺りの地形に関しては彼女の方がずっと熟知している。

少しでも道中無事に目的地まで行けるよう、裂け谷に住む彼女をとっ捕まえ、同行するようにとガンダルフたっての(拒否権などない)お願いだった。

「しかし何故人間の女が裂け谷に?」

「私はその…」

「こらお主ら!くっちゃべってないでとっとと飯を食わんか!」

話の途中でガンダルフからの叱り声が飛んできた。

「やれやれ…あぁ、私は人間ですが、どうもエルフの血も混ざっているようで」

「ほう、エルフの…」

「えぇ、ずっと昔のようですが、血が濃く出たのか、人間の中で暮らすには少し支障が出たので。そこをガンダルフに連れ出されましてね」

「なんとも興味深い話だ、時間があればまた是非聞かせてくれ」

「えぇ、いいですよ。今はゲンコツが落ちる前に昼食を食べなくてはね」

そう笑って、二人は慌てて皆のいるところへと戻った。

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