05/09の日記

15:12
ホビット四人と馳夫さん
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裂け谷行く途中のような場面



「うおーーー!!!やるぞ、私はやるぞー!!!!!」

「わぁ、彼女どうしちゃったの」

「オラがキノコを求めたばっかりに…」

「キノコ?」

「ピピンはちょっと黙ってろ」

やる気に満ち溢れている彼女と、それを少し離れた場所から見ているサム、フロド、メリー。後から遅れてやってきたピピンだけが、その訳が分からず他の3人に尋ねた。

「…ねぇ、やっぱり危ないよ。アラゴルンが戻ってからにしようよ。」

体にロープを巻き付け始めた彼女に、フロドが心配そうに止めに入った。

「大丈夫大丈夫!あの崖下にちょちょいと行ってキノコ採って戻ってくるだけだから!」

「いや、“ちょちょいと”行ける崖じゃないと思うんだけど…」

「心配ありがとうフロド、けど私は美味しいサムの料理を、キノコを入れることによって最高のものにしたいの。だから止めてくれるな!」

「うん…」

確かにあの崖下に朽ちている木は赤松。崖下で誰の手も付いていないため、育ちに育った立派な大きさのキノコがここからでも見えるのだ。

「よーしよし、では行ってくるね!」

ひょいひょいと、確かにそう心配することもなさそうに、身軽に降りていく彼女を見ながら、ホッとする四人。

フ「良かった、無事崖下に降りたようだよ」

サ「こんな高い崖、オラ、目眩がしてきましただ…」

メ「勇気のある人だよな、彼女って。いや、食欲に負けたって方が正しいかな、なぁピピン?」

ピ「ロープが切れそう」

「「「!?!?!?!?」」」

崖下から「大漁だよー!戻るねー!」と言う嬉しそうな声と、グッと体重をかけた瞬間にバツンと切れたロープ、そして「ぎゃあああロープがあああ」と絶叫した彼女の声が聞こえてきて、ホビット四人は蜘蛛の子を散らすようにして散り散りに、大慌てでアラゴルンを探しに駆け出すこととなった。


「二度と勝手な行動をするな!」

「ごめんなさい!!!」


駆け付けたアラゴルンがロープを調達、何とか無事彼女は崖下から大量のキノコと共に生還。大目玉を喰らったが、それを帳消しにできる程にサムの料理はすごく美味しかった。

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