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□お姫様と洋服
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「紫姫、ちょっといいか?」
「堀先輩?どうしました?あ、何か部活の連絡とか…?」
「いや…ちょっと来てくれるか?」
「?はい」
とある日の休み時間、堀先輩にそう言われたのでついて行くとそこは演劇部の部室だった。
用事って何だろう…?
「これ…もし趣味に合うようならいらねぇか?」
先輩から差し出されたのは紙袋で、それを覗くと…
「…先輩、これは…?」
「違うからな!?俺の趣味とかそういうのじゃなくて…意味わかんねぇけど鹿島が俺のロッカーに入れていったんだよ…。
プレゼント、みたいな事書いたメモと一緒に置かれてたけど女物の服なんて着ねぇし…そのまま捨てるのもあれだしな」
「まぁ確かに…。あ、でも流石遊チョイス。可愛いー…」
服を全部取り出してみるとそれは可愛くて思わずそう言ってしまった。
「そっか。じゃあお前にやるよ」
「でもいいんですかね…遊が先輩にあげたのに…」
「俺が持ってたって絶対着ねぇしゴミになるぞ」
「…ですよね。じゃあ…ありがたく頂きます。遊には私から言っておきますね」
「いいよ、俺から…」
「多分私がこれ着て遊に話した方がすぐに納得すると思います」
「………」
「遊ー、これ先輩が持ってても使わないっていうから貰ったの。どうかな…?」
「紫姫…!凄く似合ってるよ!可愛い!!(ガバッ)」
「ありがとうだけど苦しいよ…」
「…確かにな。じゃあ任せた」
「はいっ。遊に言ったら先輩にもお知らせしますね」
「おう、頼むな」
それから次のお休みの日にその服を着て遊と会ったら
「先輩に着てもらえないのは残念だけど…でもよく似合ってるよ、お姫様…」
って、何でか手にキスまでされちゃいました。
「遊、何で堀先輩にこの服プレゼントしたの?」
「いくら紫姫でも先輩の為にそれは言えないんだ…ごめんね?」
「うん…?とりあえず、わかった…」
先輩にこの事をメールで伝えるとやっぱり意味わかんねぇ!なんて言っていた。
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ファンブックでは鹿島くんに投げつけたと書いてましたがせっかくのお洋服だしヒロインちゃんに着せたかっただけです←
そして現実とあまり変わらない展開を予想出来る先輩って凄いですよね(笑)
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