花の妖精
□妖精女王
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『はい、討伐終了ーっと』
僕は足元に転がる山賊のボスの頭を踏みつけながら言う。
今日の仕事は最近暴れている山賊の討伐。簡単過ぎて泣けちゃうよ。けど、これで35万Jなんだから得した気分だ。
『あっさり終わったね。これで今月は仕事しなくても大丈夫だね』
『そうだなー。早くギルドに帰って寝よー』
『ラルはいつも寝すぎだよ!』
『寝ないとやってけないしー』
僕がそう言うとミスティーはムスッとしている。
や、だってさ。人間食べなくても生きてけるけど、睡眠は必要だよ。(※食べなくても生きていけません)
『ほら、早くギルドに帰るよー』
『あ!待ってよラルーっ!』
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我らのギルド、妖精の尻尾についたのはいいのだが────………。
『何か、静かじゃない?』
『ナチュとグレイの喧嘩の声が聞こえないね』
え?ここギルドだよね?妖精の尻尾だよね?
看板を確認したけど、あってる。
じゃあ、何でこんなに静かなの?
恐る恐るドアを開けて中を覗いた。
『っえ?エルザ?』
「ん?その声はラルか?」
中には腕を組んで仁王立ちしているエルザがいた。
仕事から帰ってきてたんだー。けど、そのバカデカイ角が気になるなぁー。どーすんのそれ。
『うっわー。ナツとグレイが肩組んでるー。気持ち悪。頭、大丈夫?』
僕は肩を組んでるナツとグレイを見て笑った。
やっぱりエルザがいたらこうなるんだねー。だから静かだったのか。
『わー!エルザだ!おかえり!』
「ただいま。ミスティー、ラルはちゃんと飯を食べていたか?」
『あ……うん』
「そうか。ラル、ちょっと来い」
『ん?何ー?』
ナツとグレイを見て笑っているとエルザが僕をちょいちょいと手招きをしてきた。
何だろう、お土産とかかな?食べ物だったらちょっと困るなぁー。
なんて思いながらエルザのとこに行くと頭を叩かれた。
『痛い……。いきなり何すんだよ』
「お前、またちゃんと飯食ってないだろう。あのほど食えと言っておいたのに……」
『いや、ちゃんと食べてるよ!』
「じゃあ、昨日の夜の晩御飯と今日食べた物を言ってみろ」
『…………昨日は桃のゼリー。今日は……あ、ぶどうゼリーい゛だ!』
「ゼリーしか食べていないではないか!ダイエットなのか!?」
いや、食べてるだけ進歩したと思うんだけどなー。
「全く、お前と言う奴は……」
溜め息をつくエルザ。なんかすごく呆れられてる。ギルドにいるときミラに強制的に食べさされてるよ。