花の妖精
□ナツ、村を食う
1ページ/17ページ
──ミー達がクローバーの街を出て2日がたった。
そして今は“くもの巣谷”にいる。
呪歌の戦いの後、ラルは魔力を使いすぎちゃって寝ちゃった。
本当はミーが運びたいけど、みんなに止められた。だから今ラルはグレイが背負っている。
「あー、もう!ちょっとハッピー!あんたまた迷ったでしょ!?歩いても歩いてもマグノリアの街につかないじゃない!この方向音痴ネコ!!」
「またって失礼しちゃうな。この間は迷わなかったよ。今回が初めてなんだ」
「初めてでも何でも迷ったのには間違いじゃない!!」
ギャーギャーと騒ぐルーシィを横目にミーはラルを見る。
やっぱり心配だなぁ。ラルはすぐ無茶しちゃうし。いつも大丈夫ってヘラヘラ笑ってるけど、大丈夫じゃないよ。
ミーの魔力、分けてあげれたら良いのにな。
そんなことを思っていたらみんなのお腹が鳴り始めた。
「腹減ったなぁ〜」
「言うな。余計に腹減るだろうが」
「減ったもんは減ったんだよ!!」
「だから!減った減った言うんじゃねぇ!!」
いつもの如くケンカを始めるナチュとグレイ。お腹減ってイライラしてるみたいだ。
「確かに……減ったのぉ〜」
「「だから!」」
「よせ」
そう言ったエルザのお腹も鳴る。みんなお腹空いたんだね。
するとミーのお腹も鳴った。
『……………………』
どうやらミーもお腹空いてたみたいだ。