花の妖精
□月の雫
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『────あれ?もう起きたのかい?』
僕は外に出てきたナツ達に言う。まだとても眠そうだけど(ルーシィ以外)。
僕も、一睡もしてないから眠かったりする。
「だってルーシィが……」
「誰のせいで眠れなかったと思ってんのよ!さあ!気合い入れて出発よ!」
「「「あい〜」」」
うわー。めちゃだらけてる。
呆れながら(なんかずっと呆れてる気がするけど)だらけてる組を見ていると、グレイと目が合った。
そしてそのままグレイが僕のことを見ていた。
『? グレイ?僕の顔に何かついているのかい?』
「いや……。お前、昨日寝たか?」
あ。バレてら。
『寝た寝たー。寝たに決まってんじゃん。僕から睡眠をとったら何が残るんだよー』
「……じゃあ、なんで今ミスティーが寝てるんだ?」
『え?』
確かにミスティーは寝ている。僕の腕の中で。それはもうすやすやと。そりゃミスティーが寝たのはさっきだからね。
「お前────」
「開け!時計座の扉!ホロロギウム!」
ふと、目をやるとルーシィが星霊を召喚していた。え、時計?とか色々つっこみたいことはあるけど、ホロロギウムとやらにグレイが気を取られてるうちに離れた。
寝てないってバレたら、強制的に布団に連れていかれてしまう恐れがある。
それだけはマジ勘弁。
「本当に月を壊さずにすむ方法なんてあるのかよ?」
『見つけないとショーがないっしょー。実際月がなかったら困るだろ?』
「困る?」
『ほら、お月見が出来なくなるんだよ?』
「あっ!そっか!期間限定の妖精の尻尾特製月見ステーキもなくなっちまうのか!!」
「オイラ月見塩魚なくなると困るよ〜」
『そうだよー。お月見がなくなると全国のちびっ子と食い意地が張った奴が泣くハメになるんだよー』
「それ、さり気に貶してね……?」
気の所為だよ、グレイ君。誰もナツとハッピーみたいな奴とは言ってないじゃん。
……あ、言っちゃった。
、