花の妖精
□勝手にしやがれ!!
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『いってぇ……。あのジジィ、強くぶつけやがって……』
僕は村の方へ歩き出したのは良いが、さっきジジィに玉をぶつけられたところが痛む。
って、痣出来てんじゃん!そりゃいてーわ。と、ポンチョを捲って確認したら紫色の痣が出来ていた。
全く、自分の傷は治療出来ねぇんだよ。魔力減るし。
次会ったら確実に仕留めてやる。
そんなことを思いながら歩いていると、前方にナツらしき者がいた。
『ナツ?だよな?』
「ん?おー!ラル!」
『何でお前雪だるまになってんの?歩きにくそー。てか、そいつグレイか?』
ナツが担いでいる人物を見る。するとナツは僕にグレイを渡した。
「ただでさえ歩きにくいんだよ?だから、上げる」
『や、上げるって言われても……』
え、もしかしなくても僕がグレイを運ぶ感じ?
……ねぇ、ナツ。僕がか弱い女の子だって分かってる?持てないこともないけど、こんなに身長差があるのに?
そんなこと思いながら改めてナツを見ると、もう村に向かって走っていた。
僕はため息をつくと、グレイを背負ってナツの後を追った。
**********
走っていると、あの大きな門が見えてきた。
そして、その門は気が気いて僕が近づくとあいてくれた。
「みんなー!無事かー!」
『おっ、みんないるじゃん』
ルーシィもミスティーもハッピーもいる。村人も村もまだ無事みたいだ。
少しホッとしながら走っていると、ルーシィが何か言いながら手を振っている。
え?ストップ?
そんなことを思っていると、ナツが止まった。そして僕も止まる。
「何だこれ?」
『え?』
ナツの横から顔を出し、足元を見ると他とは違う何やら怪しすぎる地面があった。
ああ。ルーシィの焦っていた理由はこれかぁー。
僕はニヤリと笑うと、ナツの背中に手を置いた。
『ていっ♪』
「「「え?」」」
「うおっ!?」
ドスンッ!!
ナツは僕が押してことにより、落とし穴に落ちた。
『おー、やっぱり落とし穴かぁー』
「やっぱりじゃない!何で落としたのよ!?」
『え?面白そうだから?』
「疑問系で返すなァ!!」
『てか、これ、ルーシィが掘ったんでしょ?』と、ニヤニヤしながら言うとルーシィは笑い出した。あ、壊れた。
『もしかして、入口が一つしかないからって、落とし穴作ったの?バカだねぇ〜』
「流石ラル!全てお見通し!」
「うえーん!」
あー面白い。って、違う違う。こんなことしている場合じゃなかった。
僕はグレイを地面に下ろし、手をかざした。
『花ノ舞 六 牡丹』
そう唱えると牡丹の花が出てきて、白い光がグレイを照らす。そしたらグレイの傷がドンドン癒えてきた。
「って、グレイ!?大丈夫なの!?」
『大丈夫じゃないからこうやって治してんの。てか、あいつらは?僕邪魔されて逃がしちゃったんだけど……。まだ来てないの?』
結構あのジジィのせいで時間食ったと思ったんだけど。
「そう言えばまだ来てないわね……」
「結構時間食ったと思ったんだがなぁ」
「チャンスよ!もう一回穴を隠すのよ!」
「まだ落とし穴やる気か」
絶対に引っかからないと思うけどねぇー。あ、けど意外とあの犬が引っかかりそう。
何だこれ?って、自らハマりそうだなぁー。
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