memory.
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「珍しいね。まひろが自分で起きてるなんて」
『あたしだって一人で起きれる時だってある』
「ハイハイ。着物脱がすよ」
『ん、』
弓親はあたしの返事を聞くとあたしの着物の合わせ目に手をかけた。そしてするすると着物を脱がしていく。
別にやましいことをしているわけではない。
あたしは低血圧で朝が苦手なのだ。
今までは誰かが起こしにくるだけだったんだけど、ここは十一番隊。
男だらけの中寝起きの女を起こしにくるだなんて、襲って下さいって言ってるもんだ。
だから何回か襲われたことはあったが、もちろんそいつらは叩きのめして暴れたがっている隊長と一角に押し付けてやった。
まぁそれにこりたのかもう来なかったけど。
でもそれに察してくれた弓親が毎日起こしにくるようになった。
「ほら、もっと腕上げて」
着替えはあたしがいつも遅くて死覇装を適当に着てしまっていたからそれに見かねた弓親が「美しくない!」って着替えさせてくれている。
弓親は自己満でやってて、あたしは楽だからそれに従ってるだけ。
「ほら、出来たよ」
『ん、ありがと』
「今日は確かお昼を乱菊さん達と約束してるんだっけ」
『うん。昨日乱菊が言ってた』
「ならさっさと仕事かたづけるよ」
『うん』
そう言うと弓親はあたしの部屋から出て行った。
あたしはその姿をぼーっと見つめたあと、引き出しから白い花の髪飾りを出すと頭につけた。
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