ヒロ銀
□いっぱい食べる君が好き
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「みょうじさんってさ、よく食べるよね」
「むぐっ!?」
給食中、天野くんから発せられた言葉によって、私は頬張っていた揚げパンを喉に詰まらせる。
い、いっぱい食べるって…それってもしかして遠回しに太ってるってこと……!?
「そ、そうかな…?私そんなに食べてないと思うけど…」
「お前そのスープ3杯目じゃん」
斜め前にいた豪勝くんのツッコミによって、行き場を失う。豪勝くんめ、余計なことを…
「でも、僕はどちらかと言えば余り食べない子より食べる子の方が魅力的だと思うよ」
「えっ…そ、そっか!そうだよね、じゃあどんどん食べちゃおっ!」
「太るぞ」
「な…何ですって!?これでも一応女子なんだけど! 」
「あんだよ、本当のこと言っただけじゃねーか!」
私と豪勝くんが火花を散らしている中、同じ班の女の子と天野くんが私達を止めに入る。
「二人とも落ち着きなよ。それに、僕はいっぱい食べる方がみょうじさんらしくて好きだよ」
天野くんの爆弾発言により、私の頬はみるみると赤くなっていく。
す、すきって…そ、そそそんな意味じゃないよね…?
「ぬぁああーっ!!」
恥ずかしさに耐えきれなくなった私は教室から飛び出し、廊下を全力疾走した。
「みょうじさん、どうしちゃったんだろ…」
「ナガレくんも罪な男ですね…」
「あの…給食中なんですが…」