黒バス short

□原澤克徳
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「ねぇ先生?」

本を読んでる原澤先生にすり寄りながら少し猫なで声で呼んでみる

「…なんですか?」

まぁ、効き目なんて一回もあったことないけど

「私達はいつになったら次のステップに進めるんですか?」

「…と言いますと?」

「だから、いつになったらその…っ、」

急に恥ずかしくなりその先がどもる
ページをめくる原澤先生の袖を掴み

「いつになったら…キスしてくれる…の?」

か細い自分の声が頭の中で反響し全身の血が沸騰するように熱い

「…」

「この前今度するって言いました…約束守って下さい…」

あぁもうやだ…なんで私がこんなこと、これじゃまるで私キスも我慢できない変態みたいじゃん…っ

なんて頭の中は後悔の二文字でいっぱい

「や…っやっぱいいで…ウワッ!?」

急に視界が反転し反射的に目を瞑ってしまう
うっすらと目を開けば目の前には先生の顔
急の出来事で頭が働かなくても押し倒されたのは馬鹿でもわかる

「せ…せん、せい?」

長い前髪から覗く先生の瞳は艶っぽく跳ね上がった心臓を絡め捕られる

「もう少し時間を掛けたかったんですけどね…困りましたね」

「え?」

「貴方相手だと制御出来ない自分が怖いですよ」

「せん…」

「それから2人きりの時は先生じゃなくて名前で呼べとあれほど言いましたよね?」

「…っ」

「私の名前…」

耳元にそっと唇を寄せて
“言えますか?”なんてとびきり低い声で囁かれれば直接鼓膜を突き抜け脳内を揺さぶり犯される

「か…つのりさ…ん」

やっとの事で出た声は酷くザラついていて先生から発せられてる媚薬のような色気に頭がクラクラして思うように言葉が出てこない
スルリと手を頬に添えられ先生の親指が私の下唇を撫でれば皮膚の下から伝わる先生の指先の体温が滲んでぞわぞわと栗立つ

「次は私の番ですね。」

そんな言葉と共に降ってきたのは目を瞑ることも忘れてしまいそうな啄むような優しいキス。

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