トライバルの背景

世界中の様々な民族、部族に於いて、トライバルのデザインに非常に様々なスタイルを目にすることができる。デザインは共通して黒い色料が使われている事が多い。これは世界中の様々な地域、民族に於いて共通して肌に一番馴染む色料である事を示している。唯一の例外はクイーン・シャーロット島(カナダ)のハイダ族が使用する赤い色料がある。

中には世界共通の絵柄も存在する。例えば、北アフリカでは悪魔の邪眼(※注1)に対するお守りとして「十字」が使われ、琉球諸島では、マルタ十字(※注2)に似た絵柄が女性の装飾柄として使われていた。パラグアイのアビポネ族は、部族の印として、額に十字を描いていた。ミクロネシアのギルバート諸島においても、トライバルに十字が多く見られる。この他、ヨーロッパの十字軍においても、聖地への遠征の印として、アルメニア十字やコプト十字の入れ墨を入れていた。

この様に、刺し入れられたトライバルは一生消えない自分の象徴として、部族、民族に於いての独特の伝統の絵柄として今もなお進化し受け継がれている。

※注1
邪視(じゃし):世界の広範囲に分布する民間伝承、迷信の一つ。悪意を持って相手を睨みつける事によって、対象となった被害者に呪いを掛ける事が出来る。イビルアイ(evil eye)、邪眼(じゃがん)、魔眼(まがん)とも言われる。

※注2
マルタ十字:突き出た8つの角をもつ十字のデザイン。キリスト教の騎士修道会である聖ヨハネ騎士団(マルタ騎士団)の象徴とされ、8つの角は騎士道における8つの美徳を象徴している。「1.忠誠心 2.敬虔さ 3.率直さ 4.勇敢さ 5.名誉 6.死を恐れないこと 7.弱者を助ける心 8.教会への敬意」

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