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□コウタとの合同任務
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新人が入ってきたという情報を耳にしてから10日。ユーヤがよろず屋で少なくなっていた回復錠を買っていると、ソーマに遠くから呼ばれた。神機のケースを持っているということは、今からミッションに向かうようだ。手早く買い物を済ませると、ソーマの元に近寄る。
「ソーマ、どうした?」
「今から新人との合同任務なんだが、ユーヤも来るか?」
そう言えば、先日ソーマはエリックと一緒にミッションに行き、エリックを亡くして帰ってきた。それで少し、不安があるのだろう。ちょうど他に行くミッションもないし、暇なので付いて行くことにした。
「相手は何?」
「オウガテイル5体の簡単なミッションだ」
「新人のサポートぐらいで終わりそうかなぁ」
「俺が前線に行くからユーヤは新人の動きを見てもらえると助かる」
「ソーマが前線に行くってことは、新人は旧型の銃形態か」
「まぁな」
ミッションの準備をするためにターミナルを開く。読んでいないメールが溜まっているが、そこら辺はソーマが把握しているだろう。一通も開かずに準備だけをし、ターミナルを閉じる。その間にソーマは神機を取りに行ってくれたらしく、ユーヤの神機もあった。神機をソーマから受け取ると後ろから元気な声が聞こえる。賑やかな声だ。
「遅くなりました!今日はよろしくお願いしまーす!」
黄色を中心とした服装を身にまとう、明るい少年がこちらに向かって走ってくる。少年の手にある神機ケースは一度、ユーヤが見たことのあるものだった。これは、神機の手入れを誰よりも念入りにしていた先輩の神機だ。味方を庇って戦死した先輩の…。使われずに埃を被らないだけ、先輩も報われるだろう。ソーマは少年が来るなり、出撃ゲートをくぐろうとする。
「んじゃ、行くぞ」
「あぁ、ちょっと待って!名前くらい聞かせてよ。俺は藤木コウタ!」
笑顔で自己紹介をする新人のコウタ。彼は敵を作らないタイプの人間だ。一応、名前だけは名乗っておこうと、ソーマは口を開いた。続けてユーヤも口を開く。
「ソーマ・シックザール」
「ユーヤ・シックザール」
「もしかして双子?初めて見た!」
元気がよすぎる少年だ。一緒に居ると疲れるやつとソーマは判断した。ソーマの気持ちに気がついたユーヤは顔をコウタに見られないように俯き気味に声をかける。
「早く終わらせて帰ろう」
賑やかな空間を背にユーヤたちは出撃ゲートをくぐった。
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