書籍<オリジナル>

□汚れちまつた悲しみに
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太宰が死んだ、





最初俺は何冗談を

言っているんだか位の認識だった、




太宰の死体を見たとき



良くできたつくりもんだとおもった、


ついついその死体を


誰にもバレないように

家に持ち帰った、



次太宰会ったとき見せてやろうと

思った、


「馬鹿野郎!こんなのに
      騙されると思ったか、」


         っていってやる、




大体太宰はもっと鼻が低くて、


眉がもっとふっとくてとにかく、


こんな秀麗な顔立ちの奴じゃ、


ねぇ…


はずだ、


ある日、俺宛てに郵便物が届いた、


封筒は銀行からの


キャッシュカードの請求書


という内容だった、


中身は太宰からの遺書だった、


俺はただただ泣いた、

泣いて


喚いて



狂って





叫んで…



もうすこしで止まっちまう


ブランコみたいに、





汚れつちまつた悲しみに
今日も小雪の降りかかる
汚れつちまつた悲しみに
今日も風さへ吹きすぎる

汚れつちまつた悲しみは
たとへば狐の皮裘(かはごろも)
汚れつちまつた悲しみは
小雪のかかつてちぢこまる

汚れつちまつた悲しみは
なにのぞむなくねがふなく
汚れつちまつた悲しみは
倦怠のうちに死を夢む

汚れつちまつた悲しみに
いたいたしくも怖気づき
汚れつちまつた悲しみに
なすところなく日は暮れる・・・・










あとがき


もう本当、何これ?
ごめんなさい!

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