無人惑星サヴァイヴ

□第3話
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ハワード「泳いで渡れねぇのか?」



メノリ「危険だ。それに遠い」



シャアラ「私、本物の海で泳いだことなんてないわ」



シンゴ「そうだ!シャトルに何か装備があるかもしれないよ!」



ルナ「手分けして、探してみましょう!」



皆であちこちを探していると、ボートとレーザーガン、ナイフに小型ライトとソーイングセット、ミネラルウォーターと非常食が見つかった



ハワード「なんだよ、たったこれっぽっちか」



メノリ「各自に配分しよう。ひとり1つずつだ。次は、いつまた確保できるかわからない。食べたり飲んだりする量は、各自で管理してくれ。残りは今後のために、取って置く」



ハワード「ふんっ、みみっちぃこと言うなよ。あの砂浜に渡れば、きっと何かあるさ」



ルナ「そんなの、わからないわよ」



ハワード「うるさいな!僕にはわかるんだよ!」



メノリ「もし危険な生き物がいたらどうする?」



ハワード「その時はこれを使うさ」



手にしているのは、レーザーガンだ



メノリ「使えるのか!?」



ハワード「パパに何度か狩りに連れてってもらったことがある」



チャコ「狩りってそれ専用の動物ロボットを使うんやろ?ウチに言わせりゃあ、野蛮な趣味や」



ハワード「貴族の嗜みだ」



カオル「所詮、遊びだな」



ハワード「何ィ!」



ルナ「やめて!そんな危ない物を持ったままで!」



ハワード「ふんっ、今に僕の腕前を見せてやるよ」




















ルナ「本当にひとりで行くの?」



ハワード「ああ!僕だけで十分だ」



メノリ「私も、一緒に行く!」



ハワード「いらないよ」



メノリ「ふたりの方が速い。それともひとりで漕いでいくつもりか?」



陸の方を指差したメノリ



釣られてそちらを見ると、陸まではかなりの距離が予測される



ハワード「勝手にしろよ」



ボートを膨らませ、海に放る



ベルがロープを引いて手繰り寄せ、両手で押さえて固定する



ハワード「よーし」



意気揚々と乗り込んだハワードだが、押さえているとはいえ安定しないボートで、軽く揺れた



ハワード「しっかり押さえとけよ!」



ベル「うん・・・」



シンゴ「ホントに、大丈夫なのかな・・・」



シャアラ「うん・・・」



次に乗り込んだメノリに、ルナがオールを2本渡す



ルナ「メノリ、はい」



メノリ「ルナ、あとの事は頼む」



ルナ「うん。気を付けて」



オールを1本、ハワードに手渡す



ハワード「いいぞ、出せ」



ふたりを不安そうに見送るルナに、チャコが声を掛ける



チャコ「ルナ。頼りにしてるでぇ」



ルナ「え?」



チャコ「メノリのおらん間は、ルナが皆を守るように頼まれたんやで?しっかりせな」



ルナ「うん」



それから少ししてからだった



荒波に苦戦している様子のふたりを、ルナとシャアラ、シンゴが応援するのを見ていたカオル



その彼が、離れた場所にある水面に作られた、波紋に気付いた



カオル「?」



アスカ「カオル?」



隣に立つアスカが、小首を傾げる



だがカオルはシャトルを駆け上がり、上から水面を見つめ始める



ベル「ルナ、カオルが・・・」



ルナ「え?」



その間にアスカも駆け上がり、カオルの隣に立った



アスカ「何か見えるの?」



カオル「さっき、波紋が見えた」



アスカ「何もないのに、波紋ができるはずがない」



カオル「ああ」



そこからはふたりで注意深く、辺りを見回す



カオル「!」



蛇のような影に、カオルが気付いた



ルナ「どうしたの?」



カオル「ふたりを呼び戻すんだ!」



ルナ「え?」



カオル「見ろ!」



登ってきたルナとベルが、カオルが指差した方を見る



ルナ「何!?あれ!」



チャコ「なんや、なんや?なんが見えるんや?」



ルナ「大変よ!変な生き物がいる!」



シンゴ「なんだって!?」



チャコ「ボートに向かってるで!」



そこから、カオルとアスカ以外の全員が大声で呼び掛ける



シャトルの羽の先端に立ち、シンゴは両手を振りながら呼び掛ける



シンゴ「おーい!危ないぞぉ!戻れー!」



だが荒波と格闘するふたりには、それが聞こえない



ようやく荒波が収まり、声が届く



シンゴ「おーい!ハワード!下だ!下ー!!」



ハワード「下だって?」



気付いたハワードとメノリは、それぞれボートの下を覗き込む



黒い影が通り過ぎ、再びボートが激しく揺れる



水飛沫を上げて、海から顔を出した生物



海蛇のようなそれは、ハワードとメノリに牙を向ける−−
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