遊戯王
□謎の転校生、無愛想な少女
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咲夜「・・・・・・暗崎咲夜、です。よろしくお願いします」
武藤遊戯が千年パズルを完成させ、海馬瀬人、獏良了を打ち破ってから数日後、彼らのクラスに転校生がやって来た
長い銀髪をなびかせ、エメラルドの瞳をクラスに向ける
外人並みの容姿を持つ少女に、クラス全員が目を引かれた
勿論、彼らも−−・・・
遊戯「うわぁっ、すっごい美人・・・」
城之内「銀髪だぜ、銀髪・・・すげぇ」
本田「ハーフかぁ?」
杏子「ちょっとアンタ達、静かにしなさいよ」
咲夜「ねぇ」
遊戯「え?」
咲夜「話、聞いてた?私、隣の席なんだけど」
遊戯「えっ?あっ、そうなの?」
咲夜「暗崎咲夜、よろしく」
遊戯「ボクは武藤遊戯。よろしくね」
キーンコーンカーンコーン
遊戯「ボクの友達で、城之内くん」
城之内「うっす!」
遊戯「本田くん」
本田「よっ!」
遊戯「獏良くん」
獏良「どうも」
遊戯「杏子」
杏子「よろしく!」
咲夜「・・・・・・」
ガタッ
遊戯「ど、どこ行くの?」
咲夜「お手洗いぐらい行かせてくれる?」
遊戯「う、うん・・・」
城之内「な、なんだ?あいつ・・・」
杏子「転校初日だし、緊張してるんじゃない?」
本田「にしても無愛想だなぁ」
遊戯《・・・・・・》
遊戯〈もう一人のボク、どうしたの?〉
遊戯《・・・・・・いや。ちょっとな》
遊戯〈・・・?〉
その時からずっと、もう一人の遊戯の視線は咲夜に向けられていた
帰り道、遊戯は一緒に帰ろうと誘ったが・・・
「用があるから無理」
と、一言だけ返された
城之内「付き合い悪いな、暗崎のヤツ」
遊戯「でも、暗崎さんにも大事な用ってあるんじゃないかな」
城之内「だとしてもだなぁ、もっとこう・・・言い方ってもんがあるだろ。ごめんとか、悪いとか・・・なんか一言あるだろ、普通」
本田「だな」
獏良「無愛想でクールな感じの子だったね」
杏子「なんか、一匹狼みたいな雰囲気だったわね。誰も近付かせたくないみたいな」
遊戯「・・・・・・」
杏子「・・・・・・ねぇ、ゲーセン寄って行かない?」
城之内「おっ、いいな!」
というわけで・・・
遊戯「あっ、新作ゲーム入ってる!」
城之内「マジか!やろうぜ!」
杏子「何かしら?あの人だかり」
本田「すっげぇゲーマーでもいるんじゃねぇか?」
遊戯「あの機械は確か・・・・・・詰めデュエルが出来るやつだったかな」
城之内「詰めデュエル?そんなのあんのか?」
遊戯「うん」
杏子「ねぇ、行ってみよう」
人混みの中に紛れ、中心まで進んで行く
その中心には詰めデュエルのゲーム機と、それをプレイしている人物
遊戯「あれって・・・」
城之内「あああぁぁぁ!?」
本田「ウソだろ!?」
獏良「も、もしかして・・・」
杏子「あ、暗崎さん?」
片肘を機械の平面に乗せ、掌に顎を乗せている
つまらなさそうに目を細め、片手で操作している
やがて−−・・・
ゲームを全てクリアした証の曲が流れた
周りから歓声が上がる中、咲夜は溜め息をついた
咲夜「つまらない。簡単過ぎる」
遊戯「暗崎さん!」
咲夜「?げっ・・・」
城之内「用って、ゲーセンでゲームやる事だったのかよ」
咲夜「・・・・・・ただの暇潰しよ。私の勝手でしょ、どこで何しようが」
城之内「言ってくれりゃあオレ達も付き合った、って事だよ」
咲夜「・・・・・・」
遊戯「どうして言ってくれなかったの?」
咲夜「言う必要ある?」
遊戯「ボク・・・ボクは、暗崎さんと友達になりたいんだ」
咲夜「・・・・・・友達なんて・・・・・・友達なんて、私にはいらない」
遊戯「え・・・」
城之内「おい、そいつぁどういう意味だ」
咲夜「そのままの意味。友達なんて、作ったって裏切られるだけ。だったら最初から作らないのが得策」
城之内「てめぇ・・・!」
遊戯「城之内くん!」
咲夜「何に怒ってるのか知らないけど、喧嘩売る気なら買うよ。勿論、内容はゲームになるけど」
城之内「上等だ!!」
クイズゲーム、シューティングゲーム、レーシングゲーム等で対戦をして行くが城之内は完敗
咲夜の全戦全勝だった
咲夜「・・・・・・まだやる?」
城之内「ぐっ・・・・・・くっそぉ・・・!」
杏子「すごい・・・全勝なんて」
本田「単純に、城之内が弱いんじゃねぇか?」
獏良「そうだとしても、彼女の強さは本物だよ」
城之内「だったら・・・・・・デュエルで勝負だ!!」
咲夜「・・・・・・いいけど。後悔しても知らないから」