無人惑星サヴァイヴ

□第4話
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襲い掛かろうと向かってくる海蛇のような巨大生物に、ハワードがレーザーガンを打つ



だがそれは1発も当たらない



そんな中、メノリは冷静に判断する



メノリ「ハワード、戻るぞ!」



ハワード「来るな!来るなぁ!」



海蛇はボートの近くから潜水し、水中に姿を消す



メノリ「ハワード!」



ハワード「!?」



手を震わせてレーザーガンを持っていたハワードは、肩を揺らして反応する



後ろを振り返り、メノリを見る



メノリ「戻るんだ!」



ハワード「あ、あぁ!」



ふたりはオールを手にし、必死にボートを漕ぐ



だが水中から、海蛇の影が迫る



それを見つけたハワードが、再びレーザーガンを打つ



メノリ「無駄だ!今は漕ぐことに集中しろ!」



ハワード「うるさい!指図するな!」



一方・・・



ルナ「みんな、シャトルの中に戻って」



シャアラ「え、でもルナは?」



ルナ「メノリ達の上陸を手伝う。だから避難して」



ベル「俺も、手伝う」



ルナ「・・・お願い。さあ、みんな!」



チャコ「ルナの言う通りや。さあ、早ぅ!」



シンゴ「うん!」



返事を返したシンゴに続き、シャアラが駆け出す



ルナ「カオル、シャアラとシンゴをお願い」



返事は返さなかったが、カオルもシャトルの中へと向かった



カオル「アスカ!」



だがハッチから、アスカを呼んで待っていた



来い、という意味だ



アスカがルナを見つめると、同意するように彼女が頷く



それを見てから、アスカはカオルの元へと駆け出した










4人は無事に戻ってきたが、ハッチに向かって海蛇が体当たりを繰り返す



そのせいで、何度もシャトルが揺れる



ハワード「なんなんだよ、あいつ・・・」



ルナ「チャコ!わかる?」



チャコ「あんな生き物、ウチのデータにもあらへんがな」



シンゴ「やっぱり、ここは地球じゃなかったんだ」



シャアラ「私達、どうなっちゃうの!?ここでこのまま死んじゃうの!?」



ルナ「シャアラ、大丈夫だよ」



涙目で言うシャアラに、ルナが優しく言葉を掛ける



シャアラ「うん・・・ごめん」



メノリ「とにかく、上陸することが先決だ」



ルナ「そうね。そして、水と食料を確保しないと」



ハワード「シンゴ、なんかいい手はないのかよ?」



シンゴ「うん・・・シャトルを岩礁から降ろせば、満ち潮に乗って、あの陸地に行けると思う」



ハワード「そんなのクレーンでもなきゃ無理だ!」



ルナ「やってみないと、わかんないよ」



チャコ「せやせや」



シンゴ「うん、これからもっと潮が満ちるし。そうなれば、海に浮かび易くなるよ!」



メノリ「よし。潮が満ちるのを待って、皆でやってみよう」



そこから待つことになったが、冷却機能も壊れてしまっているせいか、シャトルの中はそれなりに熱がこもる



ハワード「まだかぁ?」



シンゴ「もう少し」



シャトルのフロントガラスから外を見て、様子を伺うシンゴ



ハワードはペットボトルの水をガブガブと飲む



ルナ「そんなに飲んじゃって、いいの?」



ハワード「どうにかなるさ」



メノリ「飲む量は、それぞれ各自に任せている。無くなって困るのは自分だけだ」



結局、ハワードは空になるまで飲み干してしまった



更に時間が経ち、ルナがハッチから外を見る



シンゴ「どう?」



ルナ「いないみたい」



海蛇がいないのを確認し、それぞれが配置に着く



ルナ「せー、の!」



全員で押してみるが、シャトルはびくともしない



ハワード「無理だよ、こんなの!」



シンゴ「シッ!大きな声を出さないで」



ルナ「もう一度、やってみましょう」



メノリ「わかった」



ベル「俺、真ん中でやってみて、いいかな?」



ハワード「?」



シンゴ「え?」



ルナ「?・・・・・・ええ、お願い」



ベルを真ん中にし、もう一度ルナの合図で力を込める



ルナ「せー、の!」



すると、少しずつだがシャトルが動き出す



ルナ「動いた!」



チャコ「ん?あぁ!?あかん!来おったぁ!皆!戻るんやぁ!」



ハワード「今度こそ仕留めてやる!食らえ!」



だがレーザーガンは当たらず、ハワードは焦り始める



チャコ「あかん!早よ、中に入るんや!」



ルナ「ハワード、早く!」



海蛇がハワードに襲い掛かるが、アスカが足払いし、カオルがバランスを崩した彼を後ろへ引っ張った



アスカとカオルは、それぞれ飛び上がって避けた



着地したアスカだったが、その体はすぐに浮き上がった



アスカ「わっ!?」



カオル「行け!」



ルナ「うん!」



待っていたルナがハッチに飛び込み、アスカを抱えたカオルも飛び込む



片手を着いて飛び込んだカオルは、反対の腕でアスカを抱えていた



両手が空いているアスカが、カオルが飛び込んだのと同時にハッチを閉めた



ルナ「もう少しだったのに・・・」
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