無人惑星サヴァイヴ

□第6話
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翌朝



メノリ「また獲りに行かないとな」



残りひとつとなった果物を見て、メノリが言う



シャアラ「昨日のあそこへ行くの?」



人食い植物がいた、あの場所でのことを思い出す



確かに、倒したアレだけだとは考え難い



ルナ「大丈夫よ!他の場所にも、食べられる果物があるかもしれない」



シャアラ「う、うん」



シンゴ「水ももうないよ」



メノリ「海岸沿いはだいたい探した。今日は森のもっと奥まで進んで、水と食料を探そう」



ルナ「よぉし!」



シャアラ「うん!」



ハワード「頑張れよ。よろしく頼むぜ」



チャコ「お前も行けよ!」



ハワード「何ぃ!?」



メノリ「ルナとハワード、アスカは私と一緒に水を探しに行く」



カオル「!」



ハワード「またお前と一緒か?今度はベルを連れてけよ!」



メノリ「ベルは、シャアラとここで火を起こしてもらう」



全員「火?」



メノリ「ああ。いつまた、得体の知れない化け物が現れるか、わからないからな。ベル、冥王星で経験があるんじゃないか?」



ベル「実際に火を起こした事はないけど、やり方なら聞いた事がある」



メノリ「やってみてくれ」



ベル「うん」



チャコ「ちゅーことは、残ったウチらが食料探しやな」



シンゴ「よぉし!」



メノリ「カオルも、一緒に行ってくれ」



チャコ「あぁいらん、いらん。ウチとシンゴの頭脳があれば、十分や」



カオル「俺は魚を獲ってくる」



メノリ「単独行動は禁物だ、カオル。一緒に行ってくれ」



ハワード「サボる気だったんだろ?甘いぜ」



アスカ「お前と一緒にするな」



ハワード「なんだと!?」



アスカ「カオル」



カオル「?」



アスカ「ボクの知らないとこで、勝手に“あっち側”に行ったりしたら・・・怒るだけじゃ済まないからね」



カオル「・・・・・・わかった」



アスカ「わかったんならいい」



渋々といった様子ではあるが、了承とも取れる返答をしたカオル



それでも単独行動をするだろうが、シンゴとチャコからあまり離れた場所へは行かないだろうと、アスカはひとまず安堵する



どうやらアスカには敵わない様子のカオルを見て、周りは呆然とした



メノリ「・・・そ、それぞれ日没までには必ず戻ってくること」



その言葉にルナとシャアラ、ベルが頷いて返す



ハワード「じゃあこれ、預かっとくぜ」



そう言って手を伸ばしたハワードだったが、取る前にメノリがさっとカッターナイフを掴んだ



メノリ「大切な道具だ。失くされては困るからな」



ハワード「なんだ、それ?偉そうに」



メノリ「では、食料を分配しよう」



シンゴ「僕らはいいから、持ってってよ」



ハワード「おぉ!そうか。じゃあもらってくぜ!」



メノリが手にしていた果物を、ハワードは素早く手に取った



その顔は上機嫌なのを隠す事なく、笑顔だった



ハワード「俺が食べてやるからなぁ!」



アスカ「イイ性格シテルヨ」



明らかに棒読みで、呆れた表情のアスカが呟いた










ハワード「カオルの奴、今頃絶対サボってるぜ」



メノリ「サボりたがってるのはお前じゃないのか?」



アスカ「同感」



ハワード「なっ、バカ言え!」



ルナ「ねぇ、アスカ?」



アスカ「ん?」



ルナ「カオルって、いつもアスカといるかひとりだよね?」



アスカ「そーだね」



ハワード「あいつは昔っから、そうだよ」



そう言って手にしていた枝を放ったハワード



枝が入った茂みが、ガサガサと揺れる



ハワード「な、なんだ一体・・・?か、怪物か?」



ルナが太い枝を手に取り、アスカは道中で作った枝の槍を構える



だが茂みから飛び出して来たのは、小動物だった



まるでカンガルーのような見た目の小動物に、4人は拍子抜けした



ハワード「な、なんだよ、おどかしやがって・・・」



ぴょんぴょんと飛び跳ねながら去る小動物



メノリ「ルナ!追え!食料だ!」



ルナ「!」



アスカ「先行く」



呟くように言い残したアスカが走り出し、その後ろにルナが続いた



メノリも走り出し、腰を抜かしていたハワードがその場に残ってしまった



小動物を追いかけ、背の高い草むらに入る



一度はそこで見失ってしまったが、最後尾にいたハワードが見つける



小動物が逃げた先は、岩山の中だった



メノリ「ハワード!追え!」



ハワード「無理だって。諦めようぜ」



パキッ



4人「?」



音が聞こえた足元を見ると、ハワードが踏んだらしい白く細い物があった



ハワード「なんだ、これ?」



アスカ「!」



ハッとしたアスカが辺りを見回すと、見つけた



小動物くらいの大きさの、黒い影がいくつも



ルナ「これって・・・」



一方のルナ達は、白い物があちこちにたくさんあるのを見つけていた



メノリ「動物の骨だ」



アスカ「・・・・・・ここにいろ」



ルナ「え?」
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