無人惑星サヴァイヴ

□第7話
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ハワード「おい、ちょっと休憩しようぜ」



メノリ「またか?いい加減にしろ」



ハワード「腹減ったぁ。これ以上動けないよ」



アスカ「動かないなら置いて行くだけだけど?」



ハワード「なんだとぉ!?」



アスカ「喋る元気があるならキビキビ歩け」



そう言い残して歩き出すアスカとその先を見て、メノリが口を開く



メノリ「まだ先が見えない。登れるだけ登って、それから食料を探す。我慢しろ」



そう言ってメノリまで歩き出す



ハワード「お、置いてく気か?ちょっと休むだけだって!おい!」



ルナ「さあ!頑張ろう!」



ハワード「なんで、僕がこんな目に遭わなきゃいけないだ・・・?」



ボヤキながらも、ハワードは歩くしかなかった



先頭を歩くアスカは、周りの気配に注意しながら進んで行く



おそらくこの4人の中で、一番気配に敏感なのはアスカだからだ



アスカは、その事に気付いている



後ろはルナやメノリに任せるとしよう



ルナ「待ってアスカ!メノリ!ハワードがいない!」



アスカ「・・・はぁ?」



メノリ「今度は行方不明か」



ルナ「私、見てくるね!」



アスカ「ハァ・・・」



ハワードを見つけたルナが聞くと、食料を探していたらしい



なぜ食料探しが後回しなのか



同じく空腹で腹の虫が鳴ったメノリに、ルナが問い質した



メノリが読んだリーダーシップマニュアルに、大昔のボーイスカウトの記事が載っていたらしい



肉食の獣は山裾に多いらしい



もう時期、日も暮れる



登れるだけ登ってから食料を探す方が、危険が少ないと思ったからだとのこと



それを聞いて登ることを決めたハワード



ルナとメノリが引き返した場所で待っていたアスカは、3人が戻って来たのを見て歩みを再開する



またアスカを先頭に山を登っていると、木々を抜けてひらけた場所に出た



目に入ったのは、岩でできた洞窟



メノリ「あそこで休もうか。危険な生き物が潜んでいなければの話だが」



ルナ「そういえば、動物の鳴き声が聞こえなくなったわ」



ハワード「きっと大丈夫さ。行ってみようぜ」



岩の洞窟に近付き、アスカとルナが中を覗き込む



どうやら何もいないらしい



互いに頷くと、ルナが振り返って声を上げる



ルナ「何もいないみたい!」



ハワード「よぉし!じゃあ食事だな!」



メノリ「暗くならないうちに、手分けして何か探そう」




















辺りが薄暗くなった頃



アスカ、メノリ、ハワードは洞窟前に戻って来た



3人は収穫なしだった



ルナ「あったよ!果物見つけた!ほら、こんなおっきいの!」



ハワード「よぉし!早く持って来い!」



ルナが見つけて来たのは、巨大なブドウのよう果物



見た目は苔のような色をしていて、食べられるのか不安だ



ハワード「こ、これ、食べられるのか?」



ルナ「虫が食べてたから、たぶん大丈夫よ」



ハワード「こんな星の虫が食べてたからって・・・」



ルナ「とにかく切ってみるね」



その瞬間、なんとも耐え難いにおいが辺りに漂った



ハワード「くさい・・・!」



ルナ「でも水分がいっぱいよ!我慢して食べよう」



メノリ「よかったな、ハワード。ようやく食事ができるぞ」



ハワード「僕は昔からフルーツが苦手なんだ。メノリこそ腹の虫が鳴いてたんだから先に食べろよ」



メノリ「この際だから告白するが、完全無欠に見える私にも、偏食というものがあるのだ」



ハワード「僕だって、子供の頃から拾い食いはいけないと言われてたんだ!」



メノリ「今朝の果物は食べてたじゃないか!」



ルナ「もういいわよ!せっかく獲って来たのに!」



アスカ「普通に美味しいけど」



ルナ「アスカ!いつの間に?」



アスカ「君らがうるさく騒いでる間に。で、食べるの?食べないの?」



ルナ「食べるわよ!いただきまーす!」



アスカに続いて、ルナまで美味しいと言い出す



それを見て、ハワードとメノリもようやく手を伸ばしたのだった



夜は交代で見張りをして寝ようと言ったが、アスカが夜通し見張るから3人は寝てもいいと言い出す



それは駄目だとメノリが却下するが



アスカ「どうせ眠れないし、寝たくないから」



ルナ「どうして?」



アスカ「・・・・・・ひとりで眠ると、視たくもない嫌なものをたくさん視ることになるから」



ルナ「え?」



ハワード「なんだよ、それ?」



アスカ「君達には関係のないことだよ。寝るならさっさと寝なよ」



ルナ「アスカ・・・」
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