遊戯王5D’s

□デュエル・オブ・フォーチュンカップ編
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数日後、ダイモンエリア



そこには不動遊星をはじめ、矢薙、氷室、雑賀、龍亞が来ていた



そして龍亞と双子の妹・龍可の友人である早野天兵もいた



龍亞と天兵は「黒薔薇の魔女」と呼ばれるデュエリストを探しに来たらしい



ある経緯で知り合っていた遊星を見掛け、龍亞は声を掛けて合流する



マーカー付きばかりの面子に警戒していた天兵だったが、遊星の手にあった白い封筒を見て一瞬それが消える



天兵「あ、それ!」



龍亞「おぉ!遊星。これ、フォーチュンカップの招待状じゃん!遊星も出るの?」



遊星「ああ」



龍亞「やったぁ!また遊星とデュエルできるぞぉ!遊星、オレはもう負けないよ!ほらな、天兵?遊星はフォーチュンカップに出るくらい、すっごいデュエリストなんだ!」



天兵「へぇ・・・!」



遊星「・・・・・・ん?」



話をしている途中、この場には似つかわしくない人物を見つける遊星



長袖ハイネックの、足元まで隠れてしまう程の白いロング丈のワンピース



腰まである長い銀髪に、深紅の瞳を持つ少女



ボーッとしたような顔をしている少女は、肌も白いせいか、まるで幻のように思える



龍亞「どうしたの、遊星?」



全員が同じ方向を見ると、あの少女の姿を捉える



龍亞「うわっ、すっごい美人!」



天兵「なんか、シスターさんみたいだね?」



矢薙「本物のシスターちゃんだといいなぁ。ちょっと声を掛けに・・・」



氷室「やめとけ、じいさん」



雑賀「この辺じゃ見掛けない格好だな」



龍亞「遊星、あの人知ってるの?」



遊星「いや。だが・・・」



なぜか、気になる



そう思った時だった



遊星「っ!?」



龍亞「遊星、どうしたの!?」



右腕に痛みが走り、しゃがみ込む遊星



矢薙「あんちゃん!」



遊星「あの時と、同じだ・・・」



氷室「あの時?」



遊星「赤い竜が・・・現れた時・・・」



「魔女だ!!」



天兵「魔女!?」



龍亞「本当に出たんだ!どこどこ?」



デュエルリングに集まっていた見物人達は一斉に逃げ出し、魔女とデュエルをしていたらしいデュエリストの男だけが残されている



矢薙「魔女だって?」



雑賀「あいつが来てるのか・・・」



氷室「あいつ?」



雑賀「巻き込まれるぞ。逃げた方がいい!」



黒いイバラが、地面を割って出現する



そのイバラは遊星達にも襲い掛かるが、なぜかあの少女にだけは当たらなかった



そして少女は、この騒ぎの中でもまだ、その場に立っていた



遊星「ドラゴン・・・?」



土煙の中で、遊星はドラゴンの姿と声を聞いた



次に右腕を見た時、そこには赤く光る痣があった



遊星「痣が・・・」



矢薙「あんちゃん・・・」



氷室「おい、こんなのあったか!?」



矢薙「これがシグナーの印だよ。竜の痣なんだ」



龍亞「竜の、痣・・・?」



龍亞はそれと同じようなものを、見た覚えがあった



突然、黒薔薇の魔女がいるであろう場所が光輝き、それが止んでから再び見る



龍亞「あのモンスターは!?」



走り出した遊星を、龍亞が追い掛ける



土煙が晴れ、そこにいたのは「黒薔薇の魔女」と呼ばれている仮面の少女



遊星「魔女・・・」



龍亞「あれが、魔女・・・」



前に出ようとする龍亞を、遊星が手で制する



その後ろに、他の4人が駆け寄ってきた



雑賀「黒薔薇の魔女・・・本当にいたんだな」



矢薙「おったまげた!」



魔女「!?」



彼女の視線の先には、遊星の右腕にある痣



魔女「お前も?」



遊星「?・・・お前も?」



魔女「忌むべき印だ!」



そう言って、何かのカードをデッキに置いた瞬間、眩しい程の強い光が魔女を包んだ



消えた時、彼女はそこにはいなかった



氷室「いない・・・」



矢薙「今のなんだ!?ソリッドビジョンなのになんでマジックカードのパワーで、ワシら吹っ飛ばされた!?」



天兵「本当に、本当にいたよぉ」



龍亞「消されなくてよかった・・・」



雑賀「お前を見た魔女の反応、気になったが・・・」



そう言われて右腕を見るが、痣はそこにはなく、きれいに消えていた



龍亞「あー!消えてる!」



矢薙「なんでぇ!?勿体ない!」



遊星「きっと、あの魔女にも痣がある」



全員「「?」」



遊星「お前も?と、魔女は言ったんだ」



ハッとした顔をすると、遊星は辺りを見回す



あの少女は、まだその場に立っていた



しかも無傷で、今度はこちらをじっと見ている



遊星「・・・・・・」



リーシャ「・・・・・・」



ボーッとしたような表情のまま、こちらに歩み寄ってきた



遊星の目の前まで来て立ち止まると、彼の右腕を見つめる



リーシャ「・・・・・・そう。まだ、なのね」



遊星「え?」



リーシャ「・・・・・・でも、4人目」
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