愛多憎生
□感情移入、依存心とは
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「へぇ〜静雄にしては珍しくガチじゃねぇか?」
「……ッス…」
池袋にあるSOTTERIAで夕食をとっていた静雄と田中トム
「で、その子の写メないのかよ?」
「無いっすよ…てゆうか、トムさんかなりノリ気ですね」
「そりゃ、あの平和島静雄が一目惚れした美女だ。明日隕石が降ってくんじゃねぇか心配になるぜ」
「…………」
それほどまでに珍しい事なのか自分自身でも驚く静雄だ。
「あ、それよりお前。夜中はあんま出歩くなよ」
「……?…何でっすか…?」
「笑う殺人鬼だよ、笑う殺人鬼!newsぐらい見てんだろ?ありゃ…まじでやべぇから気を付けろ」
自分が尊敬し下に付いている善き理解者のトムが真剣な眼差しで忠告してくるのだ。
他人事ではないと静雄自身も深くその忠告を心に刻んだ。
するとそんな時、
「あ、静雄?」
「あ………」
「え?」
そこにはセーラ服姿の見覚えある少女が立っていた。