愛多憎生
□感情移入、依存心とは
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「え、誰だこの超絶高校生?」
先程の感じから静雄の知り合いと確信したトムはすかさず少女の事を聞く
「こいつです、堀口名無しさんって」
「ぇえ?!まじ?!こ、高校生だったのかよ!?」
「はい」
てっきり歳上かと断定していたトムにとっては衝撃でしかなかった。
まさか年下のしかもまだ高校生とは…
「と言ってもこいつ学校行ってないっすけど」
「堀口名無しさんです、宜しくお願いします。(ニコッ」
「こちらこそ、一応こいつの上司の田中トムだ。宜しくな!」
「え、名無しさんちゃん独り暮らしなの?」
「…はい」
「そうだったのか」
時間もまだ夕食時なので一緒に食事をする事になった静雄達
「おいおい、今殺人鬼がうろうろしてるから気をつけろよ?」
「ありがとうございます(ニコッ」
まさか名無しさんが独り暮らしとは知らなかった静雄は少し心配になった。
ただでさえ今現在殺人鬼がうろうろしているなか名無しさんを一人にさせるなんて…
「お前、家は?」
「ん〜ちょっとここから遠いかな?」
「なら送る、トムさん確か今日はもう終わりましたよね?」
「あぁ、問題ねぇ。俺も心配だから名無しさんちゃん送ってやれよ?」
「だ、大丈夫だよ静雄?」
こんな時、気がきくトムが上司で良かったと改めて思った静雄
横で遠慮している名無しさんの手を引き静雄は席を立った。
だがこの際、静雄は少しばかり変な違和感を覚えたのだ。
「私が一番安全だから大丈夫なのに………」
そう、不意に呟いた名無しさんだった。