glow

□探り探られ
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別に男が好きな訳じゃない
女に興味がないわけでも、ない(と思う)
ただ、昔から水が好きだったように
好きな人が、決まっていただけだ

そして偶然、そう、たまたま。
たまたまその人が、自分と同じ男で。
たまたまその人が、自分の兄だった。

ただ、それだけ。

「遙?どした?」
「…なんでもない」

パソコンを開いて仕事をする兄の背に、額をくっつける。

俺のものにならないのなら、せめて誰のものにもならないでほしい。
そんな子供の独占欲は、いつまでも叶うのだろうか。

好きだと言えない。
それは男だからじゃない。
人の良い兄貴がそんなことで誰かを否定したりしないことは、一番よく知っている。
それでも、きっと兄を困らせることになる。

恋人の存在にもなれない、
弟でもなくなってしまう、
そんなのは、生き地獄だろう。

「(……それに、)」

心のどこかで遠慮してしまっているのだろうか。
自分1人が、想いを告げることを。
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