わたしのカミツレをあなたに
□地下の迷路
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次の日、とりあえず初日だし、ということでスーツに着替えた。
颯弥も同じくスーツだ。
2人で隊長に挨拶しにいき、そのあとの朝礼で全体に挨拶することになった。
「よし、今日からここで面倒みる2人だ!」
…それだけ!?
「中村実紗です。事情があって、こちらで働かせてもらうことになりました。」
「同じく佐々木颯弥です。昨日のカンパありがとうございます。本当に助かりました。」
「「これからよろしくおねがいします」」
2人で頭を下げる。
これくらい打ち合わせなしでできちゃうのが幼なじみの強み!
みなさんは暖かい拍手で迎えてくれた。よかった、ちょっとホッとした…
「二人揃って堂上班とする!あとは堂上、任せたぞ。」
「そうくると思ってました。」
と、ため息をついて私たちを呼ぶ。
「今日は地下書庫で業務だ。日本十進分類法…は知らないと思うから、運搬を頼む。それから伝票を百の位でまとめてくれると助かる。順番は変えるなよ。」
「「はい!」」
教官は郁ちゃんに書庫の説明をしに行った。
「ねぇ颯弥、今日ってあの日だね。」
「そうだな、俺らも頑張らなきゃな。」
「昨日いっしょに復習しとけばよかった。」
後悔しても後の祭りだ。
どうにかして邪魔にならないように、出来ることをするだけだ。