わたしのカミツレをあなたに

□非常事態発生!
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ある日の閉館時間間際、それはいきなりやってきた。


非常ベルと避難を呼びかける放送が鳴り響く。

館内で自習していた私たちも急いで防護室へ向かう。

「ねぇ、これって…アレだよね?」
「そうだな…」
館長室が危ない!
「麻子ちゃんの放送さえ入れば…」

そのときちょうど麻子ちゃんの声がスピーカーから聞こえてきた。

「よかった!急ごう!」
「待って!」

颯弥の目線の先には
「毬江ちゃん!?」

いそいで駆け寄ると、毬江ちゃんは震える手で小さな男の子を抱きしめていた。
きっと逃げ遅れちゃったんだ…

毬江ちゃんの肩を叩くと、泣きそうだった毬江ちゃんがちょっとほっとした表情になった。

今にも泣き出しそうな男の子を颯弥が抱えて、私は毬江ちゃんと手をつないで走る。

しかし、
やっとたどり着いた防護室はロックされていた。
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